3歳娘の七五三記念写真を12月に後撮りしました。
記念撮影前は楽しみが半分、不安が半分といった心持ちでした。
というのも、自宅で娘(当時2歳7ヶ月)の写真を撮るときに娘にカメラを向け「笑って」とリクエストすると、すさまじい笑顔を作ってくれるのが常だったので。親としてはそれでも可愛いわが子ですが、ちょっと人には見せられない表情だし、長く残していく写真としては考えものです。このすさまじい笑顔が記念撮影で炸裂したらどうしようと思うと不安にもなるというものです。
しかし実際の記念撮影では、そんな娘から自然体かつ穏やかな微笑みを引き出し、写真に納めたプロの技がすごすぎて感動することになりました。そこで本記事では、七五三記念撮影で目撃したプロの技を紹介します。
人見知り場所見知りの3歳から笑顔を引き出すプロの技を見よ
今回の七五三記念撮影では「子どもに笑顔を作らせる」のではなく「子どもが笑顔になってしまうシチュエーションを作る」プロの技を目撃しました。
- 親が子どものテンションを上げようとしない
- 子どもと遊んで気に入ってもらう
- 子どもにカメラを意識させず笑顔を引き出す
- 子どもにポーズを要求しない
- 自然な爆笑を引き出す
撮影のポイントだけ書くと大したことなく見えますが、娘の実際の姿は、
- 撮影というイベントを心から楽しみ、
- 涙が出そうなくらい笑い転げ、
- 高難易度のポーズを笑顔で易々とキメ、
- 帰りに「また写真とったい!」
これには私も、「プロの技ヤバっ!」と思わざるを得ません。魔法でしょうか。
ポイントを時系列で紹介していきますね。
事前準備:親が子どものテンションを上げようとしない
親が自宅で声掛けやポーズの練習をすると、デリケートな3歳には逆効果になって撮影が難航することがあるそうです。
あくまで自然体で写真館に出かけ、スタッフさんにおまかせするのが最善。
事前にチラシをいただいていたので、撮影の前日に「明日写真屋さんに行って写真を撮るよ」、お出かけ前に「今から写真屋さん行くよ」と予告したくらいにしました。娘が「しちごさん?」と尋ねてきたので、私は「そうだよ~、こないだの着物を着られるよ」と答えて終わり。
内心、こんなに淡々としていて大丈夫かしら?と思いました
導入:子どもと遊んで気に入ってもらう
写真館に到着すると、着付けとヘアメイク担当の女性スタッフさんが迎えてくださいました。
このスタッフさんはとにかく娘の気持ちをよく聞いて察してくれる方。娘も一人前扱いされていると感じていたのではないかしら。
ヘアメイクの間、娘に協力してほしいことは私を介さず、すべて娘に直接聞てくださいました。「椅子に座ってもらってもいいかな?」「ママに手伝ってもらった方がいい?」などなど。
私はスタッフさんの意図を読んで、娘の動作を黙ってサポートする感じでした。もはや見習いアシスタントですw
ヘアメイク台の真ん前には、大きな鏡とたくさんの小物、それからアンパンマンのおもちゃがあり、座るだけでテンションが上がっていく娘。髪型や小物選びは私の意見を聞いた上で、娘をうまく誘導してくれました。なお、娘がどうしても譲らなかったところは私が折れました。
スタッフさんが娘に「お着物に着替えてもらってもいい?」と聞いたとき、チラリと私の方を見た人見知り気味の娘。察してくれたスタッフさんが「ママに着せてもらった方がいいかな?」と私にバトンタッチ。3歳用の着物はボタンを留めるだけなので、私でも着せられました。着物を整えるためにスタッフさんに交代すると、着物にテンションが上がった娘は平気な顔をしていました。
着付けとヘアメイクの出来上がりに娘が機嫌をよくしているところに、男性カメラマンが登場。お宮参り撮影のときの真面目な雰囲気とは異なり、道化に徹していて終始笑顔でした。
娘が警戒する前に大きなハート形の風船のプレゼントで先制攻撃したのはお見事としか。風船をとっかかりに娘におしゃべりさせ、いたずら好きのミ〇キーマウスのパペットの登場でケラケラと爆笑させたら、娘はあっさり陥落!
「じゃあ向こうで遊ぼうね~」の一言で、撮影用背景の前に易々と誘導されていった娘です。
親としては3歳の警戒心ってこんなもんかと心配にもなりました。写真館は同じ空間に親がいるという安心感はあるだろうけどチョロすぎやしませんかね(汗)まだまだ一人で外には出せませぬ
撮影①子どもにカメラを意識させず笑顔を引き出す
カメラマンが「こっち向いて〜」ということは一度もなかったのに、娘はニコニコ顔でしっかりカメラを見ていました。
その秘密は、いたずら好きのミ〇キーマウスです。
撮影中はミ〇キーマウスがカメラの側に居座り、カメラのレンズにイタズラしてカメラマンに「めっ!」される寸劇が繰り広げられたのです。
超ワンパターンな寸劇が完全に娘のツボにハマったようで、娘はミ○キーマウスを見ながら大爆笑。終始ニコニコしていました。
親が加わり家族写真を撮影するときも、やはりミ〇キーマウスがいたずらばかりするので、大人もついニヤニヤしてしまい、カメラマンに「おかあさんは口を閉じてくださ~い」と言われました(笑)
自宅で撮影するときに娘に「こっち見て~」と言うと、謎のくねくねポーズを決めながらとんでもない笑顔を作るので(これはこれで親目線では可愛い)、カメラマンの技は素直にすごいなと思いました。自宅でも取り入れたい。
撮影②子どもに高難度ポーズを要求しない
写真館では全部で8カット撮影し、そのうち6カットは娘が1人でポーズをキメました。
中には福助人形のような高難度ポーズも……!
カメラマンや女性スタッフが娘にポーズを取るように指示を出したわけではありません。娘本人もポーズをキメる意識はなく、女性スタッフが転がしてくれる綺麗な手鞠で遊んでいただけです。娘をうまく遊びに乗せ、自然とポーズを取った瞬間をカメラに収めていましたが、写真になると娘が自分でポーズをキメたようにしか見えないあたりがすごいですよね。
自宅だと、おもちゃに集中している真剣な横顔や、フッと気が逸れて笑った瞬間を狙う感じになるのかしら。手指を使う遊びをしているときの指先の表情って私はけっこう好きです
撮影③自然な爆笑を引き出す
ここまで何度もケラケラとかニコニコとかニヤニヤとか書いていますが、撮影の間は親も子も笑いっぱなしでした。ケラケラ笑って、笑い疲れてふ~っと息をついて、またニコニコ笑う、この繰り返し。
誰も娘に「笑って」とは言っていません。
言われるまでもなく娘は自然と笑っていたし、娘の笑顔につられて私たち親も顔がほころんでしまいました。その空間には本当に楽しくて笑っちゃう空気が満ちていたし、撮影が終わって写真館を出てからも、「楽しかったねぇ」「またここで写真撮りたいね」とニコニコ話しながら帰宅したくらい楽しかったです。
写真館の店頭で配布しているチラシには、「撮影もひとつのエンターテインメントでなければいけません」と書いてありました。まさにそのとおり、エンターテイメントの時間でした。
正直、チラシを最初に読んだときは、自信満々なことを訝しんだところはあります。なんせ「撮影もひとつのエンターテイメントでなければいけません」に続いて「他のスタジオで、泣いてうまく撮影できなかった子どもさんが当店で撮影できたとよく感謝の言葉をいただきます」ときて「人見知りの子どもさん、他で撮れなかった泣き虫さんも是非一度お試しください」でしたから。
強気なチラシは誇張ではなく、子どもを笑わせてきた実績に裏打ちされた自信だったことが分かり、本当によい写真館を見つけたな~と嬉しくなりました。次回もきっとこちらで撮影します。
子どもの記念撮影はおすまし顔も崩れた顔も欲しくなる
撮影から1週間後に、6つ切りサイズの2面台紙と、L版写真6枚を手札サイズのデータ付きでいただきました。
出来上がった写真の中で、私たち親では絶対に撮れないおすまし笑顔の娘がこちらを見ていて、ちょっとウルッと来ました。
娘も「しちごさん!」「プリンセスみたいー!」と喜んでいたし、なにより七五三の写真撮影というイベント自体が家族共通の楽しい思い出になったのが嬉しかったです。
同時に、かしこまったおすまし笑顔の娘は確かに可愛いけど、私が本当に好きなのは、くちゃくちゃになった素の表情かもしれないことに気づいてしまったのも、この七五三撮影だったりします。
七五三のお参り当日、おめかししてるのにかまわずダッシュする娘とか、写真館の撮影の合間にぷーっと膨れて変な顔になってる娘の写真とか、お行儀のよろしくない写真は写真館では残りませんが、こういうものがプロ画質で残っていたらどんなに素敵なことでしょう。
とか考え始めると、次のイベントまでに鮮やかに撮れるいいカメラが欲しい!だとか、次の記念撮影の時はデータ全部(orある程度の枚数)をくれる欲張りな写真スタジオも検討したい!だとか、いやいや七五三の本番はやはり参拝だから出張撮影を依頼するのもありかも!だとか、いろいろ考えてしまうのでした。
もはや散財の予感しかありませんので、誰か止めてやってくださいw