こんにちは、つむり @TsumuRi です。
私は派遣社員として約1年の産休育休を取得し、時短勤務の派遣社員として復帰しました。
派遣社員が妊娠出産を意識したとき、色々と不安は尽きないものだと思います。例えば、
- 産休育休を取得できるのか?
- 産休育休中に手当を受給できるのか?
- 育休から復帰できるのか?
これらへの答えは、いずれも「できる」(※条件あり)なのですが、できることが分かっていても定められた要件を満たした場合に限られる点がなんとも頼りなく思います。私自身も実際、派遣社員として働いているときに妊娠が判明して不安な気持ちになりました。
これから何回かに分けて、私の実体験を交えて派遣社員の産休育休について書いていきます。今回は派遣社員の妊娠出産に関する疑問のその②「産休育休中に手当を受給できるのか?」について、私が実際、産休育休を取得するまでの体験談を紹介します。厚生労働省作成のパンフレットをお手元に置いてご覧くださいね。
派遣社員が産休中に受給できる手当は?
産休中の派遣社員には健康保険組合から「出産育児一時金」と「出産手当金」が支給されます。
出産育児一時金は「出産に対して」支給される
出産育児一時金は「出産に対して」支給されます。
令和5年4月1日以降の出産の場合 | 令和4年1月1日から令和5年3月31日までの出産の場合 | 令和3年12月31日以前の出産の場合 | |
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産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週以降に出産した場合 | 1児につき50万円 | 1児につき42万円 | 1児につき42万円 |
産科医療補償制度に未加入の医療機関等で出産した場合 産科医療補償制度に加入の医療機関等で妊娠週数22週未満で出産した場合 | 1児につき48.8万円 | 1児につき40.8万円 | 1児につき40.4万円 |
申請方法は、支給方法により異なります。
詳しくは、通院中の産婦人科または健康保険証を発行した健康保険組合にご確認ください。
私が出産育児一時金の支給を受けたときの実際の手続き
出産予定の病院が直接支払制度の適用される医療機関だったので、分娩予約と同時に医療機関の窓口で手続きしました。
医療機関でもらった「直接支払制度合意書」なる書類の同意欄に、保険者名、被保険者名、署名、署名した日付を記入し、医療機関の窓口に提出しました。
私の場合は出産費用の総額が支給額42万円を超えたので、窓口で差額(出産費用の総額ー42万円)を支払いました。直接支払制度の手続きをしたことで、退院時の支払いは10万円未満で済みました。これ以上の手続きはありませんでした。
出産費用が支給金額未満の場合は健康保険組合に差額を請求できます
出産手当金は「産前産後休業で会社を休んだ期間」に対し支給される
出産手当金は「産前産後休業により会社を休んだ期間」に対して支給されます。
- 支給対象期間:最大で出産42日前から出産の56日後まで
- 1日当たりの支給額:(標準報酬月額※)÷30日×2/3
※支給開始日以前の継続した12ヶ月の各月の標準報酬月額を平均した額
総額は「産前産後休業の日数×1日当たりの支給額」で計算できます。
予定日より遅れると遅れた日数についても支給されるので、ちょっとラッキーかもしれません。
産院に出産日を証明してもらったうえで派遣会社に必要書類を提出します。請求先は健康保険組合ですが、事業主(派遣会社)の証明が必要なので、必ず派遣会社を経由することになります。
詳細は派遣会社か健康保険証を発行した健康保険組合にご確認ください。
私が出産手当金の支給を受けたときの実際の手続き
派遣会社からもらった「出産手当金請求書」を入院時に産院に提出し、退院までに医師の証明欄を書いてもらいました。
退院までに書いてもらわないと後で産院に取りにいくことになります(慣れない赤子連れはツラいと思うw)
派遣会社には、産後休業期間が終了してから請求書を提出しました。出産手当金は分割請求もできますが、請求書には産後期間(出産から56日間)経過後に申請するよう記載があったので。
出産手当金は請求書に記入した銀行口座に振り込まれました。
派遣社員が育休中に受給できる手当は?
育休中の派遣社員には雇用保険から「育児休業給付金」が給付されます。
育児休業給付金は「育児休業により会社を休んだ期間」に対して支給される
育児休業給付金は「育児休業により会社を休んだ期間」に対し、雇用保険から支給されます。
- 支給対象期間:育児休業開始時から終了時(最長で子が2歳に達するまで)の期間。
- 支給金額:休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)
育休は原則として子が1歳に達するまでの期間ですが、保育園に入れないなど事情がある場合は1歳6ヶ月まで、2歳までと延長できます。延長した期間についても休業日数に対応した支給を受けることができます。
なお、育児休業給付金には給付要件があります。
育児休業給付の内容と支給申請手続 2023(令和5)年8月1日改訂版|厚生労働省
- 1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。
- 休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
- 一支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること。
- (期間を定めて雇用される方の場合)養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。
細則については引用元の7ページ以降で確認してください!
このうち、派遣社員が特に引っかかりやすい要件が②です。
週5日で長期安定就業していれば心配は少ないですが、休業開始前2年の間に派遣先を変えており、契約のタイミングで働かない日が連続すると賃金支払基礎日数が11日未満の月が出てくる可能性があります。短期契約を繰り返している場合は要注意です。また、週4日以下勤務の場合は、GW、お盆、年末年始のカレンダーの都合で賃金支払基礎日数が11日未満の月があるかもしれません。
申請は、派遣会社経由でハローワークに申請書を提出します。
私が育児休業給付金を受けたときの実際の手続き
私の場合、育児休業取得が決まった後に「休業開始時賃金月額証明書」「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業基本給付金支給申請書」を派遣会社から受け取りました。
これがめんどうな書類でした…
「休業開始時賃金月額証明書」の方はシンプルに捺印のみでしたが、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業基本給付金支給申請書」は書くところが多いうえ、添付資料を求められました。
- 預金通帳のコピー(口座番号および名義が確認できるもの)
- 母子手帳の市区町村の証明ページのコピー
派遣会社から受け取った書類と、上記①②の添付資料を派遣会社に提出しました。
無事に受給資格が確認された後は、2ヶ月に1回のペースで派遣会社から送付される申請書に署名捺印して返送します。
手当は申請書に記載した銀行口座に振り込まれました。
申請自体が育児休業開始から2ヶ月以降、その後も2ヶ月に1回ペースで申請、さらにハローワークでの処理に1ヶ月くらいかかるので振り込みは遅いです。毎月ギリギリの家計管理で生活している場合は赤字になる恐れがあります。
産休育休には手当以外にも隠れた金銭的メリットがある
産休育休には、手当の受給以外にも実は隠れた金銭的メリットがあります。
産休育休中は社会保険料が免除されます。健康保険料も介護保険料も厚生年金保険料も免除されますが、免除期間も保険料を支払った期間として扱われます。これはけっこう大きいと思いません?
免除制度について詳しくは日本年金機構のサイトで参照くださいね。
ちなみに、雇用保険料は「支給された賃金×雇用保険料率」で計算するため、産休育休でお給料が0になれば雇用保険料も自動的に0円になります。
派遣社員が産休育休中に手当を受給するために必要なこと
産休中に支給される手当は、健康保険に加入しており産休を取得していれば申請だけで受給できるため、特別な注意はありません。
育休中に支給される育児休業給付金は、育休開始前の出勤日数が支給条件になるため、妊娠を意識し始めた時点からはあまり休みすぎないようにした方がよいです。妊娠中の体調不良で休みが増え、出勤日数が11日を割る月が連続した場合は、それ以前の月の実績に頼るしかなくなります。
すべての手当に共通して言えることは、申請を忘れないことが最重要ということです。
次回は気になる職場復帰についてお話しします。お楽しみに。