派遣社員の産休育休体験談~産前産後休業・育児休業制度の情報もまとめました

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TsumuRi
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派遣社員として産休育休を取得し、復帰してからは時短で働く兼業おかあさんになったTsumuRiです、こんにちは!

派遣社員が産休育休を取得できることや、正社員と同じように産休育休取得中に手当を受給できることは、最近はわりと知られるようになってきたと思います。

が、まだまだ派遣社員の産休育休取得率は低く、当事者以外には実態がわかりにくいと思います。

そこで、派遣社員として産休育休を取った実体験を、産休育休の取得条件や産休育休中にもらえる手当のこともあわせてまとめてみることにしました。

この記事は2018年時点での情報に基づいて作成しましたが、わたしが産休育休を取得したのは育児・介護休業法が改正される前の2016年です。

また、派遣会社ごとに手続きのやり方が異なると思いますので、最新情報は派遣会社の担当者さんに確認してくださいね。

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派遣社員にとっての産休育休のメリット

わたしは産休育休の取得は派遣社員にとってメリットしかないと考えています。

  • 産休育休中に手当が支給される(出産手当金、育児休業給付金)
  • 産休育休中は社会保険料が免除されるが、資格は継続する
    (⇒退職するよりも将来の年金受給額が大きい)
  • 育休復帰の場合は保育園の優先順位が高い
  • 育休復帰後に有休休暇が付与される(派遣会社により異なる)

金銭的なメリットも大きいんですが、保育園の優先順位が高いことや有給休暇が付与されることで産後も働きやすくなるのも嬉しいですよね。

TsumuRi
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わたしの場合、産休は産前42日前から、育休は子どもが1歳になるまでいただきました。産休育休中の手当も満額支給されましたよ!

TsumuRiが派遣社員として産休育休を取得した時の体験談

こんな風にメリットの多い産休育休なんですが、派遣社員には「有期雇用契約」というハードルがあります

実際わたしが派遣社員として産休育休を取得したときも、かなり不安要素が多かったんです。

なので、産休育休は当たり前に取得できるものではなく、なんとかもぎとったという感覚が強いです。

派遣先が変わって2ヶ月で妊娠が判明

自分のことながらびっくりしたんですが、実は派遣先が変わってからたった2ヶ月で妊娠が判明しました。

しかも当時の派遣先は、派遣期間が最長でも半年くらいになると就業前に聞いており、産休が取得できるようになる前に契約がなくなる可能性が高いという状況。ほんとうに頭が真っ白になりました。

実はわたし、派遣社員として働き始める前に公共職業安定所(ハローワーク)の職業訓練を受けたことがありまして、労務管理的な内容も学んでいたんです。

したがって、産休育休の取得条件も、当時の就業条件では産休育休の取得はものすごく厳しいことも理解していました。

そこで、なんとか産休育休に持ち込めないかと必死で頭を捻ったわけです。

TsumuRi
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先に産休育休制度とお金の話をしますね。その方が話が分かりやすくなると思うので!

派遣社員が産休育休を取得する条件

派遣社員(有期雇用労働者)が産休育休を取得する条件は、労働基準法と育児・介護休業法に記載されています。

産休を取得する条件

産休を取得する条件は、労働基準法の第六十五条に規定されています。

  1. 使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
  2. 使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

法律なので小難しく書いてますが、派遣会社の担当者さんに言わせれば、要するに「出産予定日の42日前を含む派遣先との契約が必要」ということです。

育休を取得する条件

育休を取得する条件は、育児・介護休業法の第2章第5条に規定されています。

労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる。

  1. 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
  2. その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者

これは2018年現在の育児・介護休業法の規定で、わたしが産休育休を取得した当時(2016年)よりは条件が緩和されています。2016年当時は以下の通り、条件がひとつ多かったんですね。このうち条件2が廃止され、条件3が現在のように緩和されました。

  1. 同一雇用主に1年以上継続して雇用されている
  2. 子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用が見込まれる
  3. 子の2歳の誕生日の前々日までに労働契約の期間が満了し、かつ更新されないことが明らかでない

1つ目はこれまでの実績なので分かりやすいのですが、2と3は曖昧ですよね。

派遣会社の担当者さんには「育休終了後も弊社の派遣スタッフとして就業することをお約束いただければ大丈夫です」と言われました。

TsumuRi
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つまり派遣会社の胸三寸です……

産休育休中に支給される手当

それから気になるのは、やっぱりお金のことですよね。

これも取りこぼしがないように、めちゃくちゃ調べました!

産休中に支給される手当

出産手当金と出産育児一時金が健康保険組合から支給されます。

出産手当金は、「出産のため仕事を休んだ期間」に対して標準報酬日額の2/3相当が支給されるものです。産休を取得していないと支給されません。

出産育児一時金は「出産」に対し42万円支給されるものです。産休を取得していなくても、健康保険組合に加入していれば(被扶養者でも)支給されます。

TsumuRi
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出産が帝王切開などで保険が適用される場合は、金額によって高額療養費の給付が受けられる場合もありますね(これも産休関係ないやつです!)

育休中に支給される手当

育児休業給付金が雇用保険から支給されます。

金額は、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額です(ハローワークサイトより)

ただし、雇用保険の定める条件を満たす必要があります。

  1. 育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12ヶ月(※)以上必要
    なお、育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12ヶ月(※)ない場合であっても、当該期間中に第1子の育児休業や本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合がある。
    (※)育児休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を1か月とする
  2. 有期雇用労働者は、育児休業開始時において、同一の事業主の下で1年以上雇用が継続しており、かつ、子が1歳6か月までの間に労働契約が更新されないことが明らかでないことが必要

厚生労働省:Q&A~育児休業給付~

字面通りに解釈すると、働き方によっては、育休は取れても手当が支給されないこともありうるということです。

これは派遣会社に確認するか、自分で数えるかですね。

数えてみたところで、最終的に支給決定するのはハローワークなので、書類を出してみないと確定しないんですが。

産休育休中は社会保険料免除

産休育休の隠れたメリットとして、休業中の健康保険料、厚生年金保険料の免除があります。

雇用保険料の計算の基準になる賃金の支給も0になるので、雇用保険料も発生しません

もし育児休業給付金が出ない場合でも、育休を取れるなら取っておいた方が将来の年金支給額の面ではお得だと個人的には思いますが、ここは各ご家庭の事情次第ですねー。

TsumuRi
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産休育休中の手当の受給や社会保険料の免除には手続きが必要です。産休育休の手続きとあわせて派遣会社から案内されると思いますが、心配な場合は事前に派遣会社に聞いておくと安心ですよ!

産休取得には出産予定日の42日前を含む派遣先との契約が必要!

それまで3年あまり、週5日のフルタイム(7~8時間勤務)で、同一の派遣会社の派遣社員として働いており、もちろん健康保険、厚生年金保険、雇用保険には加入していたわたし。

わたしの場合の結論としては、

  • 産休:
    出産予定日の42日前を含む派遣先との契約があれば取得可能
    (現派遣先の契約がその時点まで継続するか、契約が継続できない場合は次の派遣先を見つけてその時点までの契約を確保する)
  • 育休:
    産休が取れれば取得できる見込み
    (ただし、育休終了後その派遣会社から就業することを約束する)
  • 産休育休中の手当:
    産休育休が取れれば支給される見込み

……ということが分かりました。

育児休業給付金については、契約の切れ目や休日の関係で1ヶ月に11日以上働いていない月があったため、給与明細書を引っ張り出して概算しました。

TsumuRi
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育児休業給付金の計算の元になる雇用保険の被保険者期間は、暦月ではなく、育児休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間で数えるので、実際の出産日によって計算がズレるんです。出産予定日で計算しても見込みにしかなりませんよー

出産予定日の42日前を含む派遣先との契約を確保できればなんとかなるということが分かったんですが、当時の雇用契約では、これより前に契約が更新されなくなる可能性がとても高かったんですよね。

契約が更新されなくなった場合は、妊娠中に次の派遣先を決めないと産休は取得できません

でも、採用してもすぐに産休に入ってしまう派遣社員を受け入れる派遣先があるとは考えにくいですよね。

というわけで、なんとか当時の派遣契約を伸ばせるよう行動を始めました。

派遣会社に協力をお願いした

派遣会社は大手で、産休育休制度は整っており、前例もたくさんありました。
派遣会社の担当者さんに相談すると「派遣先との契約さえ確保できれば、ぜひ産休育休を取得してください」と快いお返事をいただきました。

派遣先の理解を得られるよう行動した

問題は派遣先との契約がいつまで継続するかです。

派遣会社からも派遣先にお願いしてもらえることにはなりましたが、少しでも心証をよくするべく、派遣会社が派遣先に連絡する前に派遣先の上司に直接相談しました。安定期に入る前でした。

契約の件がなくても、妊娠に伴う体調変化や検診などでご迷惑をかけることは分かりきっていましたしね。

派遣先の上司はとても理解のある方で、相談した時点では「先々の約束はできない」と言いつつも、いろいろと気づかってくれました。

わたしの方は、派遣先になるべくご迷惑をかけないよう、勤務時間中は集中して働きましたし、どうしてもの時は体調が許す範囲で残業も引き受けていました(とは言え、元々残業少な目という契約だったので、最大でも月10時間も残業してません)。

また、派遣先にとってみれば、よく分からないということがいちばんの不安材料になると思ったので、連絡はなるべく密にして、派遣先が気軽になんでも聞けるような雰囲気を醸し出すよう心がけていました。

結局、就業開始から5ヶ月時点で、その後も業務が十分に発生する見込みがたったことから、 出産予定日の42日前まで契約を続けることを約束してもらえました。

産休が確定したのは産休開始日の1ヶ月前

わたしは2ヶ月ごとに契約更新していたので、産休が確定したのはかなりギリギリでした。

出産予定日42日前を含む契約をしてすぐに派遣会社に書面で産休を申請して、派遣会社から産休期間用の契約書を受け取ったのは産休開始日の1ヶ月前です。

TsumuRi
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妊婦の精神衛生上、こんな綱渡りはあまりよくないと思います!

育休が確定したのは出産後

育休が取得できることは産休が確定した時点で分かっていたので、その時点でかなり気分が楽になりました。

出産後1週間ほどで派遣会社に連絡し、書面で育休を申請しました。

しばらくすると育休期間用の契約書が送られてきて育休取得が確定しました。

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とっても長い話でしたが、これがわたしが産休育休を取得するまでの体験です!

派遣社員の産休育休のたいへんなところ

有期雇用がネックで先が見えない

派遣社員の産休育休は、数ヶ月ごとに更新を繰り返す有期雇用がネックになって、取得できるかどうかがギリギリまでわからないという大問題があります。

正社員の場合は(会社によるとは思うんですが)安定期に入る頃には手続きをして、残りの期間は平和に過ごせると思うんですよね。

産休育休を取得できるかどうかによって、産後1年の収入や、保育園の入りやすさが大きく変わります。

これってライフプランの設計に関わることなので、ギリギリまで分からないというのは、ほんとうに精神衛生上よくないと思います。

また、つわりや切迫流産/早産などの体調不良で長期間休まざるを得なくなった場合に、その後の契約が更新されないリスクもあるんですよね。

派遣会社の担当さんからは、体調不良で長期間休まざるを得ない場合は傷病休暇があって傷病手当金も支給されると聞いたものの、契約の切れ目が来たらその後はどうなるの?とは、ちょっと怖くて聞けませんでした。

無期転換ルールにはちょっと期待してます

わたしがそうだったように、これまでは産休をとれる時期まで契約が更新されることを願うしかありませんでした。

でも、2018年から「無期転換ルール」が運用されており、無期転換した場合は契約に期間の定めがなくなるので、産休が取れるかどうかの不安は減るんじゃないかな?と期待しています。

  • 無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、 有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)に転換されるルールのことです。
  • 有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込みをした場合、無期労働契約が成立します (使用者は断ることができません)

厚生労働省:有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

まだ始まったばかりのルールですし、対象も通算5年以上にわたり同一の使用者の元で働いた人に限定されるので、実際に恩恵を受けられる方がどれだけいるのか分かりません。

わたしは育休復帰後に無期雇用転換の対象者になったため、転換後の待遇についてはかなり詳しく聞いたのですが、やはり派遣会社によって待遇に差があるようですし、派遣会社との契約が無期雇用契約になっても、派遣先との契約がなくなった後に速やかに次の派遣先に就業が決まるかどうかという問題はやっぱり残るんですよね。

それでも妊娠出産という人生の転機を前にした派遣社員にとっては一筋の光ではあるのかなと思っています。

TsumuRi
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もう何年かしたら、無期転換してから産休育休をとる方が必ず出てくるでしょうし、そのときはぜひ体験談を書いてほしいです!読みたい!

育休終了前に次の派遣先探しが始まる

派遣社員の場合、育休終了前に次の派遣先探しが始まることが多いです

育休復帰と言いながら、元の派遣先に戻れるということはめったにないんですよね。

わたしも、保育園が決まり、育休が終了する2ヶ月くらい前から次の派遣先を探しました。

派遣先の決定は早い者勝ちの要素も大きいですし、子どもがいることで就業条件的に不利な面が出てきます。

そこで、保育園への入所が決まるとすぐに派遣会社に連絡し、復帰後の働き方も含めてしっかり相談しました。

また、派遣先が決定する前に必ず1度は職場見学があるため、子どもの預け先を確保することも大切です。

親類縁者を頼れる場合はよいのですが、一時保育などを利用する場合は、事前に一度預けて子どもの様子を見ておくことも必要だと思います。

TsumuRi
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うちの子、離乳食食べないちゃんだったので、お昼をまたいで預けるのはちょっと無理だったんです。仕方がないので、職場見学の時間を調整してもらいました!

なお、育休復帰時の派遣先探しについてはこちらの記事にまとめました。

派遣社員の育休復帰体験談
前回は派遣社員として産休育休をとった体験を書きました。今回はその後の職場復帰について書いてみようと思います。 ...

まとめ:職場の理解を得るための努力が大切!

派遣社員が産休育休をとるまでにいちばん大きなハードルは、数ヶ月単位の有期契約の更新を繰り返す仕組みです。

産休を取れる、出産予定日の42日前まで契約を更新し続けてもらえなければ、産休はもちろん育休も取れないという現実があります。

2018年から始まった無期雇用転換ルールが適用されれば多少は不安が解消されるかなとも思いますが、始まったばかりなのでどこまで期待できるかは分かりません。

したがって、早いうちから派遣先と派遣会社の両方に報告して、理解や協力を得られるよう話し合うことが唯一できる対策だと思います。

妊娠による体調不良や集中力の低下も重なりますので、ほんとうにこれは大切です。

また、あわせて仕事の面で信頼されるように努力をすることも大前提になると思います。多少の悪条件があっても雇っておきたいと思ってもらえればしめたものだと思ってます!