
こんにちは。こどもが生後半年の頃から2歳を過ぎた現在まで、1日30分間の「語りかけ育児」を実践中のTsumuRiです!
「語りかけ育児」とは、イギリスの言語治療士サリー・ウォードさんの著作「1日30分間「語りかけ」育児
」の中で紹介されている育児法で、元々は言葉に遅れや障害を持つこどものために開発した方法を、0歳代のごく幼いこどもに応用したものです。
エビデンスもあり、言語発達が遅れ気味の10ヶ月児に介入して7歳頃まで追跡した調査では、対照群に比較して知能指数が高く、集中力に優れ、人なつこいという結果が出たそう。
さらに、その後の検証でもすべてのこどもの発達をうながすために役立つということが分かったとか。
いつから始めても遅くはないそうで、わが家ではこの書籍に出会った0歳6ヶ月から始めました。
この記事では「語りかけ育児」の簡単な紹介と、0歳6ヶ月から2歳過ぎまで、わが家の現在進行形の方法と体験談をレポートします!
「語りかけ育児」との出会い
わたしが書籍「語りかけ育児」と出会ったのは、こどもが0歳6ヶ月の頃、たまたま遊びに行ったお友だちのおうちの絵本かごの中に、無造作に入っていたのが目に止まったことでした。
カバーの雰囲気がなんだか印象的で、タイトルも印象的だったので記憶に残ったんですよね。
その後、支援センターでも図書館でも見かけて、気になりすぎて購入し、本をうちに迎え入れました。

気になる本はたいていうちにお迎えすることになるんですが、気が合うことが多いです!
わが家にとっては取り入れやすい育児法
本を読む中で、「語りかけ育児」でいちばん大切なポイントは、大人が「1日30分間はなるべく静かな環境で、こどもと向き合うことに集中し、言葉をかけて過ごす時間を作る」ことだということが分かりました。
日中ワンオペ育児でテレビをつける習慣のなかったわが家、静かな環境は既に備わっていたので、あとは30分の語りかけを始めるだけでした。
それまで特に育児法にこだわりもなく、静かな部屋でなんとなくこどもと過ごしていたので、簡単に取り入れられる上にこどもの役に立ちそうなのはよかった。
分厚い本でしたし、産後1年くらいは文字を読むことに集中できなかったこともあって、全部は読みませんでしたが、月齢の章を読んだその日から「語りかけ育児」を始めました。
わが家の1日30分間?「語りかけ育児」
本の通りにキッチリやると無理が出そうだったので、あくまでもできる範囲でポイントだけ取り入れることにしています。
- 1日30分間、静かな環境でこどもと集中して遊ぶ時間を作る
- こどもの動作や、こどもが集中しているものごとに言葉を添える
- なるべく短く簡単な文で聞き取りやすく話す
- こどもに圧力をかけない
- 間違いはやんわり正しく言い直す(ダメ出ししない)
- 寝る前には絵本を読む時間を10分作る
上に書いたことは、始めたときから継続して取り入れています。
ただし、月齢ごとに適切な言葉のかけ方や、避けた方がよい行動があるので、節目ごとに各月齢の章を読み直して、少しずつやり方を変えていってます。
本全体から感じるこどもへの視線が暖かいので、読み返す度にほっこり勇気づけられるのも良いんですよね。

わが家での取り組みを順に紹介していきますね!
1日30分間、静かな環境でこどもと集中して遊ぶ時間を作る
「こどもは雑音の中から大切な音を拾い出す能力がまだ十分育っていない上に、すぐ気が散るため、静かな環境が大切」だそうです。
わたしは元々音楽をかける習慣がなく、こどもが生まれてからはなるべくテレビをつけないようにもしていました。
また、ワンオペ育児で昼間はこどもと2人きりなので、静かな環境づくりはあまり意識しなくてもできました。

ワンオペ育児の唯一の利点かも!
難しかったのは、特に0歳代、まだあかちゃんだったこどもと30分間向き合うこと。本にも「この時間を作るのはそう簡単ではない」とあったので、きっと慣れるまでみんな難しいと感じるんじゃないかな。
新生児期のように、ほとんど動かず、何を考えているのかさっぱりわからない感じだと語りかけのネタ探しがたいへんかもしれません。
でも生後3か月未満の低月齢の頃は授乳やおむつ換えの時間を長めに取ればいいとのことで、その程度ならなんとかやっていけるのかも。
わたしが語りかけ育児を始めた生後半年頃は、こどもがかなり動き回るようになっていたので、こどもがしていることに擬音をつけたり、こどもの興味が向いたことについてしゃべったり、喃語を真似っこしてお互いに返事をしあったりで、なんとか30分という感じでした。
続けてよかったのは、30分間はこどもをしっかり観察するようになるので、こどもの変化に気づきやすくなること。
今日はこんなことができるようになった!という発見はほんとうに嬉しいものでした。
成長につれて意思らしきものが芽生え、だんだん好奇心いっぱいになっていくのを見るのも楽しかった。
30分間を捻出できない日もありましたが、あまり気にしないことにしてました。
育児はままならないことの方が多いので、60%くらいで花丸!くらいに考えておいた方がよいかなと。むやみにハードル上げてもしかたない。
こどもの動作や、こどもが集中しているものごとに言葉を添える
「こどもは集中している対象以外は見えていないし聞いていない」
それを知って、こどもの目線や指先を追って何に興味があるのか注目し、何を感じているのか表情を観察し、こどもが言いたそうなことを話してみたり、こどもの動作におおげさめの擬音をつけたりして遊びました。
0歳代の頃でも、自分の見ているものやしていることに大人が注目してしゃべっているのは分かるようで、チラッとこっちを見て同じ行動を続けてみたり、いったんやめて別のことを始めて大人の反応をうかがってみたり、かけひきを試みる様子がとても可愛かったです。
ちなみに擬音はこどものツボにはまるとキャッキャ言って喜んでました。
なるべく短く簡単な文で聞き取りやすく話す
「こどもは複雑な文は理解できない」ので、なるべく短い文で話す努力をしました。
大人と話すときや文章を書くときは、ひとつの文になるべく多くの情報を盛り込みたくなるんだけど、語りかけの時間はグッと我慢。
主語と述語と、組み合わせても形容詞ひとつまで。おかげで、こどもの目の前のものごとを言葉にする上で、根幹となる情報はどれ?枝葉はどれ?と考える機会が増えました。
また、「声のトーンも少し高め」にしました。あかちゃんに話しかけるときは自然とトーンが上がるので、意識しないと上がらない人は気をつければいいんじゃないかなと。
さらに、「調子よく、ゆっくり、言葉の間に休みを入れる」ようにリズムを意識した結果、ゆっくり歌うように話す感じに落ち着きました。
わたしがしゃべるのに反応したこどもがお返事をしてくれることもあるので、文と文の間も少し間を取って、こどもの言葉を聞いて反応できるようにしてました。
聞き取りやすくするという観点では「同じ単語の繰り返しも多用」しました。1つの単語を、組み合わせる言葉を変えて何回も言います。
こどもがコップを持っているとき、「コップ持てたね。赤いコップだね。小さいコップだね。〇〇ちゃんのコップだね」みたいな感じ。
組み合わせる言葉をひねり出すのがほんとうに大変で、大人の観察力や語彙力も問われました。

子育てってほんま修行だよね……
それから、なるべく正しい文法で話し、あかちゃん言葉を使わないようにも気をつけました。
あかちゃん時代の学習手段は音と状況のかたまりだけなので、単語と文法のサンプルは正しいに越したことはないかなと。
「語りかけ育児」の本は「あかちゃん向きの特別な言い方で話しかけましょう」と、むしろあかちゃん言葉を使うことを推奨しています。
あかちゃん言葉を使わないことは、わたし個人の価値観なんですが、あかちゃん言葉は間違いではないけど大人になれば修正することになるので、最初から大人語を覚えてもらおうと思ってました。ただ、保育園など自宅の外で覚えてくる分には気にしないスタンスでいます。
ちなみに、あかちゃん言葉を使わないようにした結果、保育士さんに「わんわんだよ〜」と言われて、真顔で「いぬ!」と言い放つこどもに仕上がりました。当時2歳になる少し前。保育士さん苦笑してました……。
可愛げがないところが可愛いと言えば可愛いんだけど、なんとも微妙です。
盲点だったのがアクセントと方言で、現在ではこどもは関西弁と私の出身地の方言が混ざった言葉を話しています。これもなんとも微妙です。ま、通じるからいいとしよう。
こどもに圧力をかけない
ここで言う圧力とは「大人のしてほしいことをこどもにさせようとする行動すべて」のことで、たとえば「音や言葉を真似させたり言わせようとする、質問して答えさせようとする、遊びの最中に命令や指示をする」などが挙げられます。

これはなかなか強い誘惑でしたね!
覚えかけの言葉をちょっと間違って発音するのはとても可愛いし、完璧に発音すればそれもまた素晴らしい。
ある程度おしゃべりができるようになると、なんの気なしにした質問にたどたどしく答えてくれるのも可愛い。
わたしよりも夫が一時期かなりしつこく単語を練習させようとしていました。何度も「時期が来れば勝手に話すようになる」って言ってたんですが、それでもやる。こどもがしっかり話すようになってからは飽きたようなので一安心です。
わたしは言葉を言わせるよりはむしろ、おもちゃで遊んでいるときに「正しい」やり方を教えたくなってたんですが、それもグッとガマンしてました。
こどもは不器用で危なっかしいし、おもちゃには製作者によって意図された遊び方があるしで、ついつい指示したくなりがちなんですよね。
でも、こどもなりに考えて遊んでいる様子もあるし、そのうち意図された遊び方にもたどり着くので、したいようにしてもらおうと。
「おかあさんやって」風の表情で持ってきたときは意図された遊び方を見せるけど、それでもしたいようにしかしないのが、こどもです。
コップ積みのおもちゃはまったく積まれることはなく、転がして、かじって、両手に持ってカチカチして、親が積んだものを叩いて倒して大喜びして、2歳を過ぎてからはおままごとのコップとして使われています。
はたしてコップ積みの存在意義とは?!

ま、コップ積みはなんにでもなれる
間違いはやんわり正しく言い直す(ダメ出ししない)
わたしの性格上、完璧主義でダメ出ししがちなので、この点にはほんとうに気をつけました。
本には「コミュニケーションを取ろうとするたびにいちいち言い直された結果、引っ込み思案になってしまったあかちゃんはたくさんいる」とあったんですが、そんなことにはしてたまるかと思ってた。
そこで、「言い直すときの鉄則である「そうね」で始める」ことを守って、こどもの言葉が多少間違っているときは「そうね、イチ…イチ……、いちごがほしいのかな?」のように言い直してこどもの表情を見てました。
こどもがニッコリしたら正解なので「そっか、いちごがほしいのね。いちごおいしいよね」と繰り返し。ちょっぴり内容を膨らませると嬉しいみたいです。
ちなみに、まだ言葉があまり出ない頃は、わたしが外すと露骨にガッカリした顔をして指差しで教えてくれてました。
言葉が達者になってからは「チガウ!チガウ!それじゃないの!」とわたしに容赦ないダメ出しをするようになってます。たまに泣く。ほんと2歳児って母親にはキビしいわ…。
意識していたつもりが、けっこうダメ出ししちゃってたのかもと反省しています。
気をつけた成果かどうかは分かりませんが、こどもはおしゃべりが大好きです。
わりと警戒心が強く、臆病なところもある慎重派のうちの子ですが、おしゃべりについてはまったく引っ込み思案な様子は感じられません。
新しい言葉やものごとは、とりあえず言ってみて、大人の反応を見てニンマリ、時々ガッカリしたり怒ったり。
保育園でもあれやこれやと先生におしゃべりしているらしく、つきあってくれる先生方には頭が上がりません。
寝る前には絵本を読む時間を10分作る
わが家では毎晩の寝かしつけの前に絵本を読み聞かせるようにしています。
大人の語彙には偏りがありますし、日常で体験できることも限られているので、こどもの世界を広げるために絵本はとてもよいものです。

想像の翼が広がるとよいなと思って!
こどもが言葉を発するようになるまで分からなかったのですが、こどもってものすごい勢いで絵本の内容を覚えますね。
2歳を過ぎてからは、だいたい3〜4日も集中して読みきかせれば、断片的ながらも印象的な場面を覚えていて、わたしに読み聞かせ?してくれるようになりました。
わたしが読もうとしても、自分で読みたいときは「よまないで!イヤ!」って怒ります。そしてすっごく得意げに読みます。
言葉を育てるという面だけではなく、絵本が好きになったことで、「そろそろおふとんで絵本読むよー」と言うと、「はいっ!」といいお返事で寝室に移動してくれるというおまけがつきました。
難点は、保育園の本の貸出日は、帰ってすぐに何回か読みきかせないと家事をさせてくれないことくらいですかね。

これまで娘に読み聞かせた本の中で、特に思い入れのあるものを楽天ROOMにまとめはじめました。少しずつ更新してます。
「語りかけ育児」の結果とこれからの課題
「語りかけ育児」をやってみてよかったこと
「語りかけ育児」をやってみていちばんよかったのは、親であるわたし自身が変われたことだと思います。
これって「こどもを変えるため」の育児法ではなく、まず親が変わることで見える世界やこどもとの関わり方が変わって、結果的にこどもも変わるというか……
わたしがこどもの興味に視線を向けるようになったことで、こどもの意思や表情の変化に気づくことが増えて、結果的にこどもとコミュニケーションを取りやすくなったり、子どもの成長や変化にも気づくようになったりしたんじゃないかなと。
また、そうやって密な関わりの時間を作ることで、こどもがほんとうに嬉しそうな表情をしてくれるのもよかったと思います。昼間働いていると、どうしても片手間で相手をすることが増えてしまうんですが、やっぱり表情が違うと感じています。
エビデンスがあるという「語りかけ育児」の「効果」については何とも言えません。
うちの子は保育園の先生が驚くくらい言葉が早かったんですが、1ヶ月違いのイトコもうちの子と同じくらいにおしゃべりさんだったので、育児法じゃなくて血筋なんじゃないかなと。
でも、聞くことへの集中力や話す意欲はしっかり育っているので、できる範囲で試してみるだけの価値はあるとは思います。
それから、言葉の発達面でまったく心配事がないわけではありません。
2歳4ヶ月頃から少し吃音が出始めました。保育園の先生にはこの時期ではよくあることと聞いていますし、本の中でも言葉の正常な発達の過程で見られることとありましたので、これまでと同じような関わりを続けています。

育休終了後の課題:時間の確保とテレビ問題
育休終了後は、まとめて30分を取ることが難しくなってきました。
保育園の行き帰りの自転車でのおしゃべり、お風呂から寝るまでの時間、寝かしつけ前の絵本の読み聞かせ、合わせてなんとか30分を超えるくらい。
あと気になってるのはテレビの視聴時間ですよね。本人が一緒に見たがるので、なるべく一緒には見ながらおしゃべりしてるんですが、平日帰宅してから寝かしつけまでの3時間の持ち時間の中で、なんとかバランスを取ろうと模索してます。
こんな状況ですが、こどもがほんとうに嬉しそうな顔をしてくれるので、これからもできる範囲で続けたいと思ってます!
まとめとして「語りかけ育児」の書籍紹介
さて最後に本の紹介を。

繰り返しになる部分もありますが、しばしお付き合いください!
「語りかけ育児」の著者は、イギリスの言語治療士サリー・ウォードさん。
「語りかけ育児」とは、元々は言葉に遅れや障害を持つこどものために開発した方法を、0歳代のごく幼いこどもに応用したもので、こどもの言葉を豊かに育てるエビデンスもあるとのことです。
本の中には、月齢ごとの成長の様子や、月齢に応じた語りかけ育児の方法、おすすめの遊び、言葉の成長に気がかりのあるこどもが語りかけ育児によって変化していく様子など内容がもりだくさんで、育児の本にしては文字が多く、ボリュームもあります。400ページくらいですね。
文章は易しいので、わりとすらすら読めますし、読み物としてもおもしろいです。
いちどに全部読む時間はなかなか取れないと思いますので、こどもの成長に合わせて必要な部分だけを読み、今日からの育児に取り入れるのが、私のおすすめの読み方です。
本は月齢ごとに書かれていますが、言葉の成長は個人差が大きいので、こどもの様子に合わせてちょうどいい方法を試してみるのがいいと思います。
本の中に「語りかけ育児を実践しているこどもは」という表現がところどころ出てくるので、語りかけ育児をこれから始めるこどもの場合は、少し戻って始めることになるかもしれません。
月齢ごとに「ことばの発達」の項目があるので、目安にもなると思いますよ。
以上、「語りかけ育児」の紹介でした!

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この記事がきっかけで小学館の取材を受けました
この記事がきっかけで、小学館の子育てメディアHugKumの取材を受けました。
「語りかけ育児」を紹介する全3回の記事で、第1回、第2回には、実践する際のポイントがコンパクトにまとめられています。体験談は第3回として記事にまとめていただきました。

取材の経緯や感想などは当ブログの別の記事にまとめましたので、興味のある方はこちらもどうぞ。
