娘が生後半年頃から3歳を過ぎた現在まで、「語りかけ育児」にゆるゆる取り組んでいます。
https://tsumurinote.com/baby-talk/
「語りかけ育児」は、イギリスの言語治療士サリー・ウォードさんの著作「1日30分間「語りかけ」育児」の中で紹介されている育児法で、1日30分間、静かな環境でこどもと集中して遊ぶ時間を作り、支持的な関わりや言葉掛けをすることで、子どもの言葉や発達を促すとされています。
平日に子どもと過ごす時間が朝1時間、夕方3時間のワーママでも、なんとか2年半やれてます。
娘が3歳になった節目に、2歳から3歳までの取り組みをまとめました。
わが家の1日30分語りかけ育児
娘が3歳の今、わが家の語りかけ育児はこんな感じになっています。
もはや「語りかけられ育児」かもしれない
語りかけの効果があったのか遺伝なのかは分かりませんが、娘は本当によくしゃべります。一人で遊んでいる時は、ほとんどしゃべりっぱなしかも……というレベル。ずっと何かブツブツ言ってる。
そこで、遊びながら私から語りかけるというよりは、娘のおしゃべりを聞いて、娘の中にある物語が膨らむように言葉を継いだり、娘が言いたくて言えていないことを言葉にしたりが多くなりました。外すと「ちがう!」と言われますが。
私から何か言っても興味がそれることが多いので、本の通りに娘に合わせた方が会話が続くようです。
「なんで?」「なあに?」が始まった
この時期になると、親にとっては頭の痛い「なんで?」「なあに?」も始まります。
うちの娘もそうで、しょっちゅう「なんで?」と聞くんです。対象はほんとうに多ジャンルにわたり、しかも突然くるから油断なりません。例えば……
- 言葉の用法
(「だれもいない」と言った後に言い直して、)「だれもいる」じゃないのなんで? - 自然科学的な疑問
白い雲と黒い雲あるのなんで?窓くもるのなんで? - 家庭や社会のルールへの疑問
お父さん遅くまで起きてるのなんで? - 人物やキャラクターの心情に対する疑問
なんでへんなかおしてるん?
子どもにも分かるよう難しい言葉を使わず、しかも嘘や間違いにならないように教えるって本当に難しいです!
せっかくなので、自分で考えたり、本で調べたりするきっかけにしたいなと考えていて、「どうしてだと思う?」と問いかけたり、目の前で本を開いてみたりしていますが、伝わってるといいなあと思います。
もうそろそろ、娘が興味を持った分野の子ども向け図鑑や辞書を用意しておいた方がいいのかも。娘が字を読めるようになるまでは私が使うんですが(笑)
英語もときどき混ぜています
娘が3歳になる少し前から、こどもちゃれんじEnglish(しまじろうの英語)を受講しています。
https://tsumurinote.com/shimajiro-english/
英語という言語にそこそこ興味を持ったようなので、娘がこどもちゃれんじEnglishの教材に触れている間や、それ以外の時間でも英語を発したときは英語で応えるようにしています。
「えいごのなまえなあに?」とよく聞かれるので、こちらも子ども向けの辞書を検討しています。
語りかけ育児の時間をどう確保するか問題
ワーママが語りかけ育児をする上でいちばん大変なのが「1日30分」を確保することですが、わが家はこんな作戦でなんとか時間を確保しています。
- 平日はお風呂と寝かしつけ前
- 休日は家事を一緒に
- 休日はおとうさんも活躍
- テレビは割り切って活用
平日はお風呂と寝かしつけ前
平日は18時帰宅21時消灯(目標!)と、正直ゆっくり関わる時間があまりないので、お風呂と寝かしつけ前だけはしっかり関わることにしています。
お風呂での関わり
お風呂は、お湯に浸かる以外のことはできないため、集中して語りかけできる時間でもあります。
わが家では、お風呂に耐水性のおもちゃ(指人形やお風呂ポスターなど)を持ち込んで、娘が作るお話の登場人物を一緒に演じて遊んでいます。
お風呂からなかなか上がりたがらなくなったのは由々しき問題です……
寝かしつけ前の関わり
2歳半頃からでしょうか、娘が歯磨きと寝かしつけを嫌がって、逃げ回りながら遊びたがるようになりました。なかなか手ごわかったんですが、寝かしつけ前に遊ぶ時間を確保したら解決しました。
お風呂の後、娘がパジャマに着替えたら、寝る前にやりたい遊びを聞いて、寝室の片隅におもちゃを並べてから歯磨きに誘います。
寝室でしっかり遊んで眠そうな顔をしたら「そろそろ絵本の時間にしようか?」と声をかけるとすんなり片付けに取りかかり(箱に放り込むだけのズボラ方式ですが)、布団に入って絵本を読んだら寝る態勢に入ってくれるようになったので、とても楽になりました!
これで語りかけの時間も確保できるので、一石二鳥です。ただ、眠そうにしない日は時間が遅くなりがちで、大人もそのまま寝てしまうパターンが多いです。

これまで娘に読み聞かせた本の中で、特に思い入れのあるものを楽天ROOMにまとめはじめました。少しずつ更新してます。
休日は家事を一緒に
休日は割と時間を取りやすいので、必ず30分語りかけの時間を取るようにしています。
それとは別に、3歳になる少し前くらいから家事への興味が強くなってきたので、したがる日は教えながら、できる範囲で参加してもらっています。
時間は倍ほどかかるし、お米をばらまかれたり、食器を割られたりもありますが、できたときの嬉しそうな顔を見ると、こちらも嬉しいです😇
休日はおとうさんも活躍
私はたまっている家事などを休日に片付けたい思いもあるので、ばたばたしている時間は夫に任せています。
赤ちゃん時代はどう関わってよいか分からなかった夫も、言葉が出るようになると関わりが持ちやすいよう。
うちの夫、娘にああしたらこうしたらとはあまり言わないので、しっかり関わってくれるときは「語りかけ育児」的にいいと思います。絵本は娘が求めるままに次々読んでくれますしね。
ただ、思いつきでいらんことを教えるのと、飽きてくるとキャラものやテレビに頼るので、平日に娘に「これー」と言われ、私が「おかあさんはそれはちょっと……」と言わないとあかんのだけは困ってます。
テレビは割り切って活用
テレビと言えば、「語りかけ育児」の本にはこの時期も「テレビは1日30分に制限する」ように書かれてます。
わが家の場合、平日の食事の支度の間は見ていますし、休日は夫が見せることもあり、もう少し見ていますね。お気に入りの番組もあるので、少ない日は1日30分というのが現状。
ただ、語りかけ育児も、テレビを全否定しているわけではなく、親が主体的に番組を選び、子どもと一緒に関わりを持ちながら見ることを勧めています。親が教えられない世界をテレビが教えてくれることもあると思います。

おかげで工事車両にはまり、ショベルカーの運転手になりたいとか言ってます。土木系女子になるのか……?!
私もなるべく娘と一緒に見たいと思ってますし、娘がひとりで見ているときは、おもしろいシーンや怖いシーンは教えにきてくれるので、見せっぱなしは回避できてます。これは娘の甘える力に助けられてますね。
ま、食事の支度は進まなくなりますけどね!(苦笑)
いちばん難しいのは「指示しない」こと
語りかけ育児で大切とされていることのなかで、いちばん難しいのは「遊びの最中に命令や指示をしない」ことです。
子どもが言葉を使えるようになってからの方が難しいということを、この時期に心底思い知りました。ここからは少しその話を。
言葉は通じるようで意外と通じていない
語りかけ育児の本にも書いてありますが、この時期の子どもは身の回りのことならだいたいのことなら理解できていますし、言葉で指示をしたときも要点を3つくらいまでは覚えられます。
実際私の娘も、言葉をかけると神妙な面持ちで聞いてますし、言葉の先を察して動いている様子もあります。要求は言葉で伝えてくれることが増えたので、言葉は通じるようになってきているのは確か。
でも、言葉の理解は完璧ではないんですよね。
例えば、娘の「なんで?」の答えを説明した時や、物事のやり方を教えたときにキョトンとしたり、不安げな表情を見せたりすることもありますし、指示をしたときに細かいところまでは理解できていない様子もあります。
娘が私に要求を伝えるときも、うまく言えずにイライラしているのを感じるときがありますし、娘の言うとおりにしたはずなのに「ちがう!」と泣かれることも。
この時期の言葉の習熟度だと、あまり指示するとお互いフラストレーションを抱えると思います。言葉が分かると言葉どおりに動くことまで期待してしまいがちですが、子どもの理解力はまだまだこれからですし、きちんと理解した場合も、親の言うことを聞くかどうか決めるのは子どもなので。
語りかけ育児の本質は「子どものありのまま」を肯定すること
「語りかけ育児」の本の中には、語りかけ育児をした子どもは、しなかった対照群に比較して知能指数が高く、集中力に優れ、人なつこいという結果が出たことが書かれています。これは語りかけを通じて自己肯定感が養われた結果だと解釈できますが、別にこれ、語りかけ育児特有のものではありません。
娘が3歳になるまでに育児書を何冊も読み漁りました。例えばこんな本。
その中に共通して書かれていることがありました。それが、子どものありのままを受け入れること。決して親の望む方向に子どもを変えようとはしないこと。
「望むように愛する」とか「差し出してくれたものを受け取る」と書いている本もありました(1冊目と2冊目です)
でも現実は、赤ん坊の頃は何をしても「できたねぇ、よかったねぇ」と共感と肯定に溢れていた子育てが、できることが増えて言葉が通じるようになると「ああしなさいこうしなさい」「どうしてしないの」になってしまうんですよね。ありのままを受け入れてもらえる時間って、大きくなるにつれ、だんだん減っていきます。
そんな現実を踏まえると、何をしても興味を持って見てもらえ、そのまま承認される時間が、毎日30分間約束されているということが、子どもにとってはとても大切に思えるのです。
良いと言われる育児法は多々ありますが、その中でも語りかけ育児の本が長く読み継がれているのは、ありのままを受け入れるという漠然とした行為を、30分間の語りかけの時間という枠組みと、具体的かつシンプルな方法論に落とし込んだものだからかもしれません。

家庭ごとにやりやすい方法を取り入れたらいいんじゃないかな~と私は思ってます
これからもマイペースで続けます
2歳から3歳からのわが家の語りかけ育児は、「語りかけ育児」の本と比べると、かなりわが家流にカスタマイズされたものに変わってきていますが、今後もマイペースに、できる範囲で続けていこうと思っています。
本に書いてあることすべてはできていないとも思いますが、すべてはできなくていいと割り切りました。大切なのは語りかけ育児の根底にある、子どものありのままを受け入れることの方で、語りかけ育児はそれを誰の目にも分かりやすく説明したひとつの方法論だということが、この2年半で分かりましたし。
まだ寝返りを覚えた赤ん坊だった娘が、光を反射してキラキラ輝いているホコリを目線の先に捉え、掴み取ろうとして、一生懸命小さなお手手を伸ばしていたこと、今でも私は覚えてます。
子どもには、大人には結果の分かりきったことでも、自分の手で結果を掴み取ろうとする想いがあります。3ヶ月の赤ん坊にあるくらいだから、これはもう本能的な強い想いだと思うんですよ。
そんな子どもの想いを無下にせず、子どもの目線の先にあるものを一緒に見つめ、子どもが手を伸ばした結果を分かち合うことで、得られるものは必ずある、私はそう思います。
語りかけ育児の本は「いつはじめても遅くはない」と言います。
この記事を読んだ後、たった30分間だけ、全力で子どもの好奇心と遊びを眺めてみるのもおもしろいと思います。
難しいテクニックはまったく必要ないので、ぜひ試してみてくださいね😇