書店にフラりと寄ったところ、たまごクラブ2019年7月号の表紙に「令和時代の名前辞典」とあるのを見つけて、ふと懐かしいなと思って。
私が娘の名前を考えたとき、まだ娘は生まれてもおらず、お腹の中でもにょもにょと動くだけでした。こんな「もにょもにょ」にぴったりの、一生使うお名前を考えるって難易度高すぎない?!というのが当時の正直な感想。
夫も私も自身の名前でそれなりにイヤな思いをしたことがあるので、娘には同じ思いをさせたくなく、名付けはかなり悩みました。お名前の実用性にはさんざんこだわったし、親の願いも込めたかったし。ま、娘は令和生まれではなく平成生まれですが、子どもの名付けへの想いや難しさは、平成の世も令和の時代も変わらないはず……というわけで、今回はわが家で実際に娘の名前を決めた経緯です。
出産前、妊娠7ヶ月でお名前を考えはじめる
わが家が娘の名前を考え始めたタイミングは出産前。妊娠7ヶ月目でした。妊娠7ヶ月前から出産前までにお名前の候補を3つほどピックアップして、最終的には娘が生まれてから退院までの間の娘の様子を見て、ぴったりの名前を選びました。
私が出産した産院は、生まれるまで性別を積極的には教えない主義だったので、両方の性別の名前を考えましたよ~
出産してすぐに、
- お七夜(産後7日目、お名前のお披露目も兼ねたお祝い)
- 出生届提出(生まれた日も含めて14日以内)
と、お名前が必要なイベントが続くので、退院までにはお名前をつけようと決めていました。
名前が決まらなくても出生届は出せるので、どうしても決まらなければ市役所に相談したらいいと思います。児童手当や健康保険証の手続きもあるので、やはり早くに決めるに越したことはないとも思うけど。
名前でイヤな経験をした夫婦の最大のこだわりは実用性
名前を間違えられることが多いと気まずさに疲れてくる
最初に書いた通り、うちは夫婦ともに自分の名前でそれなりにイヤな経験をしています。
というのは、2人とも名前の字面はありふれているのに、読み方が少し変わっていて、初見で正しく読んでもらえることが稀。クラス替えのたびに間違えられますし、そのたびに訂正して気まずい思いをしていました。
また、正しい読みでは漢字変換されないことが多く、特に夫宛の郵便物の漢字が間違っている率が高い。自宅のパソコンには2人分の名前を単語登録して一発で変換できるようにしていますが、他人にそれを要求するわけにもいかず。
名前を間違えられすぎると、だんだん訂正するのにも疲れてきます。訂正の手間自体がイヤというよりも正しく読んでもらえないことが悲しいし、間違えた相手にも気まずい思いをさせて申し訳ない思いが強くて。名前にまつわる悲しみを再生産しないよう、とにかく読みやすく、漢字変換しやすいお名前を選ぶことで満場一致でした。
実用性重視で考えたお名前の要件はこれだ
そうして実用性重視で考えた、お名前の要件がコチラです。
- 読み間違えられない
- 漢字変換しやすい
- 姓名判断もOK
- 年を取っても違和感がない
- (参考:英語話者が発音に困らない)
いくつか実用性に関係ない項目が増えてますが、実用性重視と言っても、実用性一辺倒ではないんです。やっぱり、生まれてくる子どもに幸せになってほしいという親の願いがありますし。
最初の2つ以外についてちょっと補足します。
姓名判断もOK
姓名判断については、夫がわりとゲンを担ぐ方で気にしたという感じです。
また、これには名付けの難易度を下げるという意味合いもありました。わが家は両家ともに伝統的に受け継いでいる文字や音がありませんし、誰が名付けをするというしきたりもなく、実用性以外はお名前に対するイメージも全然持っていなかったため、いうたら地図も羅針盤もないままに名づけという大海原に漕ぎ出すようなもの。これでは遭難必至なので、姓名判断という枠組みを導入して海域だけでも決めたって感じです。
年を取っても違和感がない
実際のところ、名前って可愛い盛りの年齢を通り過ぎてからの使用期間の方が長いので、シワシワのじいちゃんばあちゃんになっても違和感がないことは実用面で大切だと思ってます。
英語話者が発音に困らない
オンライン英会話を受講していた時、先生が私の名前を読み間違えたので私が言い直したら先生が明らかに困惑したことが何度かあります。これは日本語と英語の発音が異なるため、私が意図していたようには発音しなかっただけの話です。ま、しゃーない。
なので、英語話者にとっての読みやすさも少しは意識しておいた方がいいかな?とは思うんですが、海外に出る予定がなければ関係ないし、海外に出て行った友人たちは現地ではニックネームで通していたりもするので、多少読みにくくても後でどうとでもなると思う。
英語圏では読めてもそれ以外の国だと読めない可能性はあるし、キリがなくなるので考えるのをやめました。笑
実録!わが家が子どもの名前を決めるまでの手順
さて実際に娘の名前を決めたプロセスがこちらです。
- 姓名判断を申し込む
- こだわりを満足させてくれる名前をピックアップする
- ひたすら書いて読む
- 生まれてから顔と雰囲気を見て呼んでみて決定
- 娘に説明できるよう由来を用意
ステップ①姓名判断を申し込む
姓名判断といってもそう大袈裟なものでもなく、良運命名のオーダーメイド名付け本を取り寄せただけです。これね↓
https://www.nihon-ikuji.com
良運命名のオーダーメイド名付け本について
良運命名のサイトからオーダーメイド名付け本を申し込むと3000円ですが、当時は妊すぐという雑誌(現在は休刊)の購入特典で無料でいただけました。この冊子は名付けの時に考えるべきことや、姓名判断の基本が分かりやすかったし、漢字の本来の意味も掲載されていてよかったです。でもこの名前はちょっとなぁ…と感じるものも入っています。
無料のWeb版もあるので、紙媒体にこだわらないならWeb版で十分だと思います。サイト読むだけでもけっこう面白いですし。紙媒体の方が一覧性がよいので私は冊子が好きだけど。なお、冊子を申し込むとWeb版も使えます。
姓名判断にこだわりすぎないことも大切
良運命名のサイトにも書いてありますが、姓名判断の結果にこだわりすぎないことも大切です。姓名判断の流派によって違いはあるし、何より運命は子どもが自分の手で掴むものだと思うので。
つけたい名前や使いたい漢字がある場合は、姓名判断にとらわれる必要はないと思う私です
あとね、姓名判断って名付けのとき以外においそれとするもんでもないとも思います。何の気なしに自分の名前を入力した結果がこのTweetとか、ちょっと泣けるでしょ。
なんとなく戸籍名で姓名判断したら、地格以外全部凶で笑ってしまった。猜疑心と対人トラブルと赤貧と離別と紛争の暗示てw
— TsumuRi@頭に毬藻が生えています (@TsumuRi) 2016年1月31日
ステップ②こだわりを満足させてくれる名前をピックアップする
次に、オーダーメイド名付け本で良運とされる名前の候補600パターンほどの中から、読みやすくて見た目の印象と響きのいい名前をいくつか選びました。さらに、他の名付け本も見て候補を拾いました(←欲張り)
基本的に画数ベースで選んだ良運のお名前ばかりですが、私は特に地画(下の名前の画数の合計)にこだわりました。
男の子は結婚しても姓が変わることは少ないですが、女の子は姓が変わることが多いです。姓が変わると天画、人画、外画、総画は変わるけど、地画は変わらないので一生持っていけると思ったのでした。笑
何の気なしに姓名判断したら最凶だった私の名前も地画だけは大吉なあたり、ちょっとだけ親の優しさを感じました。
また、この段階で年賀状やFacebookをチェックして、親戚や友人関係でかぶる名前も除外しました。あんまり近い関係でかぶってるとお互い微妙かな~と思って。
ステップ③ひたすら書いて読む
さらに、絞りこんだお名前の候補(この時点で男女各5個はあった)を、手書きで姓と並べて縦書きにしたり横書きにしたりひらがなにしたりローマ字にしたりイニシャル表記したり、パソコンで漢字変換できるか試したり……と色々やりました。これで最終候補の男女各3個まで絞りました。
この段階で重視したのは以下の点。
- 漢字、ひらがな、ローマ字、すべて見た目が悪くない
- 名字とつなげて読んだ時や、逆向きに読んだ時、音訓変えて読んだ時、イニシャル表記した時に、別の言葉を連想しない(特に下品な言葉)
- 手書きしたときに難しすぎない
- 正しい読みで漢字変換できる
もはや名前によるネガティブイベントのリスクを限界まで減らすことだけ考えてました。自分ではそこまでとは思ってなかったけど、名前にまつわるイヤな思い出ってけっこうじわじわ効いてたぽいですね。
ステップ④生まれてから顔と雰囲気を見て呼んでみて決定
最終的には、娘が産まれてから顔と雰囲気を見て、実際呼んでみて決めました。
ここまで一生懸命考えてきたお名前、どれもそれなりに気に入っていたので、最後はフィーリング。3つあったお名前候補の文字と音の印象は、それぞれ活発なイメージ、繊細なイメージ、中性的かつ柔らかいイメージと全然違ったので、新生児のくせにすごく活発で自己主張が強い娘にぴったりくるお名前はおのずと決まったという感じです。
……と書くと、あっさり決まったみたいですが、お名前が決まったのは出生から6日目だったのでけっこう時間はかかってます。授乳しながら名前を呼び掛けてみて、しっくりくるのがそのお名前だと発見するまでにそれだけかかりました。
夫は3つの候補の中ならどれでもよいと言っていたので、諸手を挙げて賛成してくれました。
自分の誕生日に名前が決まってよかった!
夫、めっちゃ喜んでたんですが、私の方は夫の誕生日をすっかり忘れてました。夫ごめん。
ステップ⑤娘に説明できるよう由来を用意
娘が生まれてからお名前が決定するまでに同時進行で考えていたのが、お名前の由来です。えっ後付け?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、正直なところ、この時点でやっとお名前に込める想いが像を結んだんですよね。それまでは実用性中心で考えていたので。
娘の顔を見ながらお名前を呼び掛けてみると、お名前の音と漢字のイメージから、娘の人生に対する願いが目の前に浮かび上がりました。
そうか、私はこういう人生を娘に歩んでほしいと願っているのかと思ったので、育児日記のお名前の由来を書く欄には、その時に浮かんだ願いと情景をそのまま書きました。
こだわってつけた名前には大満足しています、が!
前に別の記事で「中に子どもが入った……」と思った瞬間があると書いたんですが、その後の娘の様子を見て、本当にぴったりのお名前を付けてあげられたと思っています。名前が娘の中に降りる魂を規定したのか、娘の中に降りようとしていた魂がぴったりの名前を引き寄せたのかは分からないけれど。
特に寝返りの自主トレ時期は、親である私が呆れるほどタフな自主トレをしていたので、やはり繊細な名前はあり得なかった、活発な名前だった!と変に納得しましたし、さらに2歳過ぎた頃からませてきた様子を見ると、中性的な名前でもなく女性的な名前だった!とも思いました。
願わくば娘がこのまま健やかに成長して、よい運命をつかんでくれたらいいなと。
そうそう、これだけ考えたわりに少しだけ手抜かりがあったんですよね。だいぶ後になってから気づいたんですが、娘の名前の漢字を電話口で説明するとき、絶妙に説明しにくい字が入ってまして、そこだけは娘に対してちょっとゴメンって思ってます。夫も私も漢字を説明するのに困ったことはなかったから、すっぽり頭から抜けてました。
これから子どもの名づけをされる皆様におきましては、口頭での説明しやすさも頭に入れておくことをおすすめして筆を置きたいと思います。