こんにちは、つむり @TsumuRi です。
雛祭りの時期は毎年、お雛様を飾りながら、まだ赤ん坊だった娘を抱っこして人形問屋街・松屋町でお雛様を選んだことを懐かしく思い出し、ちょっぴり切ない気持ちになります。
仲良しのママたちでお雛様談義をしていたら、思ったよりこだわり派だったことが判明しました。
もっとお雛様への想いを語りたーいっ!
本記事では、今更ながらわが家のお雛様について紹介します。
大阪の人形問屋街・松屋町や、衣装着親王飾りのお雛様が気になる方は、よろしくおつきあいください。
衣装着親王飾りのお雛様をお迎えしました
わが家のお雛様は、オーソドックスな衣装着親王飾りのお雛様です。
お道具は金屏風、雪洞、桜橘、漆塗りの前飾り。緋毛氈に直接親王台を置く毛氈飾りスタイル。
写真で見ると地味なくらいですが、実際はお着物や金屏風に光が映えてお部屋が華やぎますし、お姫様の顔立ちや佇まいが本当に綺麗で、毎年眼福です。
わが家のお雛様選びのポイント
雛人形を選んだ時は全く知識がなかった私、こだわったポイントは以下の3つです。
- コンパクトなサイズ感
- お雛様を飾る過程を楽しめる
- お雛様のお顔立ちや佇まい
コンパクトなサイズ感
お雛様を選ぶときに最初に考えたのはサイズ感でした。
わが家は狭いアパート住まいで、飾るにしろ片づけるにしろ広いスペースが取れません。
わが家のお雛様は、「三五」と呼ばれる横幅25cmのお人形で、屏風の端から端まで80cm、奥行きは40cm程度で飾っています。
毛氈飾りなので幅はある程度自由です。全体的に間隔を詰めて屏風を閉じ気味に置けば、最小の横幅は60cm強になります。
収納時は押入れの天袋の襖1枚分に収まります。
お雛様を飾る過程を楽しめる
私には、お雛様を飾る過程を娘と一緒に楽しみたい想いがありました。
最初に見たお雛様カタログがふらここさんのもので、小さな女の子が木目込みのお雛様を大切そうに手に取っているイメージが脳裏に焼き付いたからかもしれません。
子ども時代の私にはお雛様が畏れ多い存在で、手を触れた記憶がなかったから、憧れがあったのかもしれません。
というわけで、毎年自分で並べることにこだわろうと思い、ケース飾り以外のお雛様を選ぶことにしました。
手軽に飾れることも大切
私自身のお雛様は、母の実家から贈られた7段飾りの立派なものでした。
物心ついた時には母は毎年、お雛様を大儀そうに飾っていました。だんだん全部出てくることがなくなり、ついには毎年飾ることはなくなりました。
初めは想いを持って迎えたものがだんだん疎遠になっていく様子を思い出すと少し切ないので、手軽に飾れることも大切だと思います。
ズボラだしね
お姫様のお顔立ちと佇まい
わが家のお姫様はちょっぴり個性的なお顔立ちをしています。
店頭で見たお姫様の多くは垂れ目がちで柔和なお顔立ちでしたが、わが家のお姫様は少しまなじりが上がった凛とした綺麗さのあるお顔立ちです。見れば見るほど忘れられなくなるお顔立ちに完全に心を奪われました。
夫も同じ印象を持ったようで、満場一致でわが家に来ていただくことになりました。もはや運命ですね。
お雛様がうちにいらっしゃってからは、佇まいの美しさにも見惚れるようになりました。
特に、この後姿が大好きです。
長く延びる白のお衣装と、黒髪が描く柔らかなラインのコントラスト。時々後ろから眺めてはニヤニヤしています。
そしてお内裏様。
お内裏様は、お姫様に釣り合う涼しげで少し精悍さも感じられるイケメンです。
顔立ちについてはそれほど語ることがないのでした
お内裏様は、お顔よりもお衣装の色にこだわりがあります。黄櫨染というお色で、お店で見て一目惚れしてしまったんですよね。
私自身のお内裏様は青系のお衣装だったので、お内裏様といえば青の印象を引きずっていましたが、それを一瞬にして塗りかえられてしまいました。
お衣装の文様は「桐竹鳳麟文」といい、天皇の装束にも使われる縁起の良いもの同士を組み合わせた図案です(参考)
お雛様といえばやっぱり金屏風
うちのお雛様は、屏風や雪洞などのお道具含め、とても普通な印象だと思います。
この普通さの中で、私が唯一にして最もこだわった点が「金屏風」でした。
童謡「うれしいひなまつり」に「きんのびょうぶに うつるひを かすかにゆする はるのかぜ」という歌詞があるのですが、金屏風に映る雪洞の明かりの情景って素敵じゃないですか?私はこれを再現したかったのです。
屏風以外の雛道具については、私はそこまでのこだわりはありませんが、お人形屋さんはかなりこだわっている様子でした。持ち主以外は気づかないところに、あえてこだわるのは素敵だなと感じました。
お雛様を人形問屋街で購入するまでの経緯
お雛様選びのスタート時点では知識もこだわりもほとんどありませんでした。
だからこそ、お人形のプロにアドバイスをいただける問屋街に行ってよかったと思っています。
百貨店やベビー用品店を下見しすぎて迷走、検索魔と化す
わが家のお雛様選びは迷走から始まりました。
お雛様は、女の子にとって大切なお守りのお人形で、一生に一度のお買い物でもあります。絶対に現物をたくさん見て買うと心に決めていました。
お雛様カタログが送られてきた12月中旬からは百貨店、ベビー用品店、ショッピングモールなどに足を運びました。かなりの数のお雛様を見ましたが、見れば見るほど分からなくなりました。
知識がないと戦えないと思って検索に検索を重ねた結果、大阪の人形問屋街・松屋町の存在を知りました。
今思えば、必要なのは知識よりも選択基準!最低限、サイズと予算が決まれば絞れます
大阪・松屋町筋商店街「ニッタ人形店」でお雛様を購入
お雛様は一生に一度のお買い物ですし、たくさんの中から娘のいちばんを選びたい。
さらに、いいものを安く買えるならありがたいですよね。
そんな気持ちで、年明けの1月上旬に松屋町を訪問しました。
当時9ヶ月の娘を連れて合計3回。私が平日に下見をして、休日に夫を連れて行き、1週間で決めました。
1月の土日はとても混雑するため、説明をゆっくり聞きたいなら平日の午前中がおすすめです。授乳やオムツ換えは柔軟に対応していただけたので、赤ちゃん連れでも大丈夫でした。
訪問したのは以下の4店舗。優柔不断なので、ぐるぐる巡回してました……(迷惑)
- 人形の久宝堂:大型店で衣装着さんも木目込みさんも豊富。楽天市場店あり。
- 増村人形店:大型店で衣装着さんも木目込みさんも豊富。
- 人形の天明館:複数店舗あり。1店舗は木目込みさん専門店で独自の品揃え。
- ニッタ人形店:小さめの店舗だが接客が抜群によい
私がお雛様を買ったニッタ人形店はこじんまりとしたお店ですが、接客の印象は抜群によかったです。
接客してくださった店長さんが丁寧にお人形の見方を教えてくださいました。
わが家にとって一番のお雛様を選べたのは、店長さんに色々教えていただいたからだと思っています。感謝。
お人形が届いた後に少し気になることがあり、問い合わせると飛んできてくださいました。アフターサービスも丁寧で、本当によいご縁をいただいたと思います。
なお、松屋町筋商店街については、別の記事でさらに詳しく書きましたので、合わせてどうぞ。
母娘で楽しむ雛祭りをくれたお雛様
娘のお雛様は、私にとって母娘で楽しむ雛祭りをくれたお雛様になりました。
自分のお雛様は遠い存在だった
私のお雛様は、母の実家から贈られた立派な7段の衣装着さんでした。
母に聞いたことがないので、お雛様を飾っていた母の本心は分かりません。物心ついた時には母は大儀そうにお雛様を飾っていたし、私にとっては手に取った記憶もないほど遠い存在でした。
そんなだから娘が生まれるまでは雛祭りにもお人形にもさほど興味を持っていませんでした。
そんな私が変わったのは、娘のお雛様を選ぼうと思い立ち、お雛様の由来を知ってから。
お雛様が女の子のお守り人形であること、起源には諸説あるものの、古くから受け継がれてきたものであること。
いろいろと読むうちに、私の母のようにひとりで抱え込むよりは、娘本人のものとして触りたがれば触らせ、ある程度の年齢になれば飾るも片づけるも好きにさせるのが、なんだか自然に思いました。
同時に、大切なお守りのお人形だから、お迎えするからには20年飾りきる覚悟を決めようとも思いました。
「お嬢ちゃんにいっぱい遊ばせてあげてね」
ニッタ人形店でお雛様の購入を決めたとき、店長さんが言ってくれたこと。
お嬢ちゃんにいっぱい遊ばせてあげてね
赤ちゃん時期はさすがに難しいけれど、言葉が通じるようになれば母親が大切にしているものは理解して大切にするようになるし、聞き分ける年齢になればお人形の扱い方も教えられるようになる。だから、お嬢ちゃんからお人形を取り上げて嫌いにさせないでください、むしろお人形を通してお行儀など教えてやってくださいと、そんなことを伝えてくださいました。
わが家のお雛様にはこんなお人形屋さんの暖かさも宿っているのだと思います。
娘と楽しむ雛祭りの思い出を重ねたい
お雛様がわが家にいらっしゃった当時は9ヶ月だった娘も、今年は2歳10ヶ月。
背丈が伸びた娘、ついにお雛様を飾っている台に手が届くようになり、雛道具を床に並べて遊ぶようになりました。
自分のおもちゃをお雛様の前に飾ってみたりと楽しんでいる様子です。
しかし、お人形には手を触れず「うちのだいじ!」と言う娘です。
店長さんが言っていたとおり、ちゃんと分かってくれていることに感動しました。
来年の娘は、今年とは違う表情を見せてくれるだろうか?
雛祭りが過ぎてしまうと、少し切ない気持ちで去年までや今年の娘の様子を振り返りつつ、翌年やさらなる未来に想いを馳せてしまいます。
そのたび、こんな気持ちでいられる時間をいただいてよかったと、ついつい笑みがこぼれてしまうのです。