娘が生後5ヶ月の頃、急に手首(親指の付け根周辺)が痛くなり、整形外科を受診して狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)と診断されたことがあります。
発症から完治までは約3週間程度と比較的早く治りましたが、産後に腱鞘炎に悩むお母さんって本当に多いみたいなので、体験談と実際使ってよかったアイテムをまとめてみました。
産後は腱鞘炎になりやすい条件が揃っている
自分が腱鞘炎になって初めて知りましたが、産後に腱鞘炎に悩む女性ってすごく多いそうです。腱鞘炎の原因と考えられているものは以下の2つですが、
- 手指の使いすぎ
- ホルモンバランスの変化(妊娠出産期、更年期)
出産後は24時間365日営業で赤ちゃんのお世話をして手指を酷使しますし、通常時の成人女性と比べてホルモンバランスがかなり変わっているため、出産後のお母さんは腱鞘炎になってもなんの不思議もないのです。
産後の腱鞘炎はすぐ整形外科を受診した方がいい理由
私は手首に痛みが出てから整形外科を受診するまでに1週間程度我慢してしまったのですが、以下の理由から、そんなに耐えずにさっさと整形外科を受診したらよかったといまだに思っています。
- 腱鞘炎は早く手当てをした方が治りやすい
- 赤ちゃんのお世話は腱鞘炎に悪い
- 授乳中でも安全性の高い痛み止めを処方してもらえる
- 腱鞘炎以外の病気の可能性もゼロではない

自宅で簡単にできるテストがあるので、当たりなら整形外科にレッツゴーですね。親指を中に握りこんでグーを作り、手首を小指側に曲げた時に痛むようなら当たりです……
腱鞘炎は早く手当てをした方が治りやすい
当たり前の話ですが、腱鞘炎は早く手当てをした方が治りやすいです。
腱鞘炎の治療方法は簡単な方から大まかには3つあるんですが、
- 患部の安静(固定も含む)、投薬
- ステロイド注射
- 手術(腱鞘の鞘を開く手術)
痛みが出始めた段階では、痛み止めを使いながら安静にするか、注射で治ることが多いと聞きました。痛みを我慢して手指を酷使し続けると炎症が酷くなり、手術が必要になる場合もあるそうです。
私の場合、狭窄性腱鞘炎の診断から1週間程度は手首の固定と痛み止めの湿布で様子を見ましたが、いまいち痛みが軽快せず、娘のお世話に差し支えてきたので、ステロイドの注射を打ってもらいました。注射の痛みはそれほどではありませんが、ズーンと重い感じがしました。
注射を打った当日から翌日までは手首が重い感じがありましたが、注射から2~3日程度で完全に痛みが取れました。痛みが消えた時には、さすがステロイド、強力に炎症を抑制するだけあるわ!と思いましたね。

ステロイドって賛否両論ですけど、私は短期間で局所使用なら副作用も出にくいし許容範囲だと思っています……
赤ちゃんのお世話は腱鞘炎に悪い
私が診断された狭窄性腱鞘炎は、親指の腱(親指を伸ばしたり開いたりする役割がある)を包む腱鞘という部位が炎症を起こして親指や手首を使う度に痛むもので、特に親指を動かす動作は最悪です。なので、お医者さんは親指から手首まで固定して患部を安静にするようにと言います。
赤ちゃんのお世話って、抱っこにしろ、オムツ換えにしろ、親指を使わないと力が入らなくて、うっかり親指を使うんですよね。するとその度に激痛が走り、炎症が悪化するという悪循環にハマりやすい。これはどれだけ意識していてもやっちゃうと思います。それだけ親指の役割は大きいのです。
それにね、お世話するたびに痛むようになると、だんだんお世話自体がストレスに感じられてきます。抱っこが楽しくなくなる。それって赤ちゃんにとっても不幸なことなので、本当にサクッと治した方がいいと思います。
整形外科に行かずに様子見するなら、せめて固定だけはしておくべきだと思います。固定しておくと、うっかり動かしても痛みがかなり軽減されるので。
授乳中でも安全性の高い痛み止めを処方してもらえる
私は母乳育児中の薬の使用には神経質になっていたので(産後のガルガル期がけっこう酷かった)、整形外科受診までの1週間の間、湿布すら貼らずに我慢していました。湿布といえども薬なので、なんかリスクが気になっちゃったのです。
その点、整形外科では授乳中でも安全性の高いとされる薬剤を処方してもらえるので安心です。ドラッグストアで薬剤師さんに聞くという手もありますけどね。
湿布って、成分によっては光線過敏症を引き起こすこともあるので、手首のように直射日光にさらされやすい部位に貼る場合は要注意だなと思っています。しかも湿布を貼っている間だけ注意していればよいわけではなく、湿布の成分が皮膚に残存している可能性のある4週間くらいは注意が必要。日焼け止めすらめんどくさいズボラにはこれキツイです……

そうそう、授乳中のお薬の安全性について自分で調べる場合は、国立成育医療センター(妊娠と薬情報センター)のママのためのお薬情報をブックマークしておくと便利だと思いますよ
腱鞘炎以外の病気の可能性もゼロではない
整形外科を受診した後にお医者さんに言われたことですが、出産後のタイミングで、関節リウマチなどの膠原病を発症することがあるそう。腱鞘炎は患部を安静にしていれば治っていきますが、膠原病の場合はそうではないので、「腱鞘炎以外の病気ではない」ことを確かめていくことが大切と言われました。確かに、重大で治りにくい病気ほど早期に見つけて治療しておかないと赤ちゃんの今後に大きく影響します。

かなり慎重派のお医者さんで、注射の後も痛みが強くなったり、他の関節に痛みが飛んだら再受診!と念押しされましたね。私が痛いのに我慢するタイプだからなのかしら?
産後の腱鞘炎の辛さを和らげてくれたアイテムたち
こうして私の産後の腱鞘炎は快方に向かいましたが、完治までに使ってよかったものを挙げてみます。
固定具:患部の安静をがっちりサポートしてくれる
何より大切なのは患部の安静ということで、痛みが取れるまでは2種類の固定具を使い分けて対応していました。
- 手首の曲げ伸ばしを邪魔しないソフトサポーター(昼間)
- 手首をガチガチに固定する鉄板入りのサポーター(夜間)
昼間は赤ちゃんのお世話の邪魔にならないよう、手首の動きを妨げないソフトサポーターを使いました。そんなに固定力はありませんが、それでも着けているときはかなり痛みが軽減されると感じました(サポーターを外した状態でうっかり親指を動かしたらすっごく痛くてびっくりしました……)
夜間はお世話の必要がないので、親指のところに鉄板が入ったサポーターでガチガチに固定して過ごしました。薄い鉄板ですが、本当に親指が曲がらないので安心でしたね。寝ている間って無意識に手を動かしたりしちゃうので、それを阻止できるのがよかったです。ただ、赤ちゃんのお世話をしようとすると親指が動かないのが不便で仕方ないので、昼間の実用性はとても低いと言えます。
固定具としては他にテーピングがありますが、私はテーピングでかぶれたことがあるのでサポーターにしました。
抱っこひも:抱っこの負担をかなり軽減してくれる
今どき皆さん抱っこひもは持っていると思いますが、抱っこの負担を軽減するという点で、抱っこひもは神でした。
抱っこって、子どもを抱えるときに必ず親指を開く動きをしますし、抱えている間に添える手の親指の開き方が、ほんまに腱鞘炎の手首には負担が大きいんですよね。これで娘が暴れようものなら目も当てられないくらい痛かったです。
抱っこひもを使うと、娘を入れてしまえば両手はフリーですし、中で娘が多少暴れても手首には影響ありませんし、腱鞘炎の手首にとっては神アイテムでした。
バウンサーが好きな子だったらバウンサーも神アイテムになりうると思うんですが、うちの娘はあんまりバウンサーを好まない抱っこ魔だったのでイマイチでした。

三輪ベビーカー:片手で取り回せて手首の負担が小さい
特に外で活躍したのが三輪ベビーカーです。もう一度言います。
三輪ベビーカーです。
ここ大事です。テストに出ますよ!
一般的に、ベビーカーって両手で押すイメージがあると思いますが、三輪ベビーカーは片手で取り回すことも可能なので、痛くない方の手だけで押していくことができるんですよ。腱鞘炎の手首にはめちゃめちゃ画期的じゃないですか?
また、うちのベビーカーはアップリカのスムーヴ(2016年購入)なんですが、タイヤがエアタイアで段差を乗り越えるのにあまり力が要りませんし、路面が多少ガタガタしていても衝撃を吸収してくれるので、両手で押すときもちょっとはマシだと思います。
このような経験から、腱鞘炎になる可能性まで考えると、ベビーカーは絶対三輪がおすすめだと思います!

その2年後、人生で2回目の腱鞘炎の原因とは
こうして、便利アイテムの力も借りつつ、私の産後の腱鞘炎は終わったのですが、その2年後になんと2回目の腱鞘炎になりました!
当時、娘は2歳4ヶ月、既に授乳もしていないし、……そう、今度は妊娠出産やホルモンバランスの乱れは関係なく、ただ単に手指を使いすぎたことによる腱鞘炎です!(チーン)
でもこれはもはや職業病。私の本業は医薬分野の翻訳や技術文書作成で、娘が1歳で育休復帰してからこの方、昼間はずっとパソコンのキーを叩きっぱなし。さらに、娘が2歳になってから通勤時間や夜間にブログを書くママブロガーにもなりまして、指を休める時間はそれこそ寝ている間だけみたいな状態です。手首が痛くなった8月は共同運営ブログ「ブロガー喫茶ぽてこ」の立ち上げに参加して、昼も夜も平日も休日もなく文章を打っていたので、腱鞘炎になってもなんの不思議もないのです(←2回目)
さすがに1回目で懲りていたため、手首にうずくような感覚が出た時点ですぐに固定、痛みを感じた時点で整形外科を受診し、1回目ほどは悪化させずに治しました。やっぱり腱鞘炎は、痛みが出てから固定と受診までのスピード勝負。無理に我慢すると生活に差し支えるので、
さくっと整形外科を受診してさくっと治すのがベスト
だと思います!

ところで、この記事を書いている今……実はまたしても手首の感覚がちょっとあやしいんですよね~。今回も固定で直るといいけど……(チーン)