こんにちは。つむりです。
今回は私が娘を産んだときのお話です。
妊娠中は軽いトラブルはあったものの、おおむね元気な妊婦だった私は、出産も順調に進むと思いこんでいました。ところが実際は、破水したあともまったく陣痛がなく、羊水が濁っていたことで緊急帝王切開という結末を迎えました。
妊娠出産とは産んでみるまで(もしかすると産んでからも)何が起こるか分からないとは言いますが、まさかあんなことが自分の身に起こるとは……!
今回はそんなお話。これから出産を控えた妊婦さんの心の準備に役立てば嬉しいです。
妊娠中の経過はおおむね順調だったのに……
妊娠中の経過はおおむね順調でした。
妊娠時の年齢は36歳とやや高めで、妊娠初期の出血、つわり、中期以降のおなかの張り、恥骨痛などのトラブルはあったものの、産休に入るまで仕事も続けることができ、36週を過ぎてからはウォーキングやマタニティヨガなどの運動もできる程度でした。
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産院主催のマタニティヨガでは呼吸法の指導や出産のイメージ作りがあり、出産直前の私は自分にとっての「よいお産」のイメージをすっかり作り上げていました。子が陣痛で合図をしてくれたら、子が出てきやすいように呼吸を合わせて頑張ろうと。
子どもにはエコーで分かるような異常はなく、毎晩私のお腹を蹴り飛ばして起こしてくれるくらい元気でした。私はすっかり、出産は順調に進むと思いこんでいました。
妊娠中にマンガの「コウノドリ」を読み、ドラマ版も欠かさず見ていたのに、もはやおめでたいとしか言いようがありません。
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出産前日から緊急帝王切開まで
出産前日から緊急帝王切開までは以下のように進みました。
出産前日22時頃:前期破水
出産予定日の前日、昼はウォーキング(日課)、夜は写真を整理していました。
22時頃に立ち上がった時にプチン!という感覚があり、液体が脚をつたい落ちました。尿とはまったく違う生臭さで前期破水だとわかりました。
ちなみに羊水は弱アルカリ性なので、pH試験紙や赤色リトマス紙で尿漏れ(通常は弱酸性)と区別できるそうですよ。個人的にはpH試験紙の方が分かりやすくて好きです。このためにわざわざ買うもんでもないと思うけど(笑)
出産前日23時頃:陣痛分娩室(LDR)に入院
夫の車で、日が変わる直前に産院に到着しました。
当直の助産師さんにLDRに案内され、破水を確認された後、出産までの見込みを説明されました。
この時点では「自然に陣痛が起こるのを待つけど、朝まで陣痛がないようなら感染リスクを避けるため陣痛促進剤で早めに出すことになる」と言われました。
説明のあと、夫は荷物を簡単に整理して家に帰りました。
出産当日3時頃:羊水混濁が判明
この晩はあまり眠れませんでした。
深夜にトイレに行ったところ、尿を拭いた後のトイレットペーパーにどろどろと緑がかった濁った色の何かが付着していたので、ナースコールしました。
この時点で「明日の診察で先生が決めることだけど、自然に陣痛が来なければ緊急帝王切開になる可能性が高い」と言われました。
出産当日8時:朝の診察で緊急帝王切開がほぼ決定
翌朝8時頃に先生の診察を受けました。
先生からはやはり「自然に陣痛が起こらなければ夜に緊急帝王切開」と言われ、手術の説明書と同意書をもらいました。
入院時点では陣痛促進剤を使うと言われていたので方針転換に驚いたのですが、陣痛が来た時に子が胎便で汚れた羊水を呼吸器に吸い込んで重い合併症を起こすリスクを避けるためだとのことです(胎便吸引症候群)
出産当日の日中:LDRにひとりでひたすら陣痛待ち
夫は病院に寄らず出勤したので、手術の説明書を読みながらLDRでひとり陣痛を待ちました。
何度かノンストレステスト(NST)で子宮の収縮と子どもの様子を確認されました。子どもは時々心拍が取れない場所に移動してしまうくらい元気なのに、子宮収縮はまったくありませんでした。NSTをするまでもなく、自分自身でまったく陣痛が来ていないことが分かるレベルでした。
待てども待てども陣痛はきませんでした。
向き合うのは自分自身とおなかのこどもだけ
陣痛を待っている間、夫や助産師さんがずっと付き添っているわけでもないので、話す相手がなく、向き合うのは自分自身とおなかの子どもだけで、妊娠中のあれやこれやが思い出されて泣けました。
泣きすぎて、どうして産んであげられないの?!このポンコツの身体はそんなあたりまえのことも許してくれないの?と、身体と精神の連携があまりよくない自分の性質を恨むような思いでいっぱいでした。産前はそれなりに気を遣って生活して、出産直前はよい出産のイメージを思い描いていた分、実際は全然違う出産になりつつあることがまったく受け入れられませんでした。
ちなみに、泣いてたらNSTのモニターを見ていた助産師さんにバレました。医療機器おそるべし。(笑)
助産師さんの支えが心強かった
助産師さんの支えがなかったら、精神的にどうにかなっていたんじゃないかと今でも思います。
助産師さんは、まとまらないグチも泣き言もすべて受け止めてくれ、私が落ち着いてから諭すように言葉をかけてくれました。
助産師さんはこんなことを言っていました。
「お母さんはきっと、できることは全部してきて、子どものためにこうしてあげたいとかこうありたいという想いを持っていると思う。でも、どうやって生まれてくるかを決めるのはあかちゃん自身だから、お母さんにも私たちにもどうにもできない。あかちゃんが決めた生まれ方を、わたしたち大人は見守って手助けしましょうね」
そしてこんなことも言っていました。
「私の経験からの話だけど、もっと大きくて設備や人員が整った病院なら、陣痛促進剤を試すことくらいはできたかもしれない。でもここは先生1人の病院だからリスクを取る余裕はないし、安全側の判断をするしかない」
こういうアドバイスは妊娠初期の段階で欲しかった。
これから産院を選ぶ方は、頭の片隅でいいので覚えておくとよいかもしれません。
出産当日17時:夕方の診察で緊急帝王切開が確定
夕方の診察で緊急帝王切開が確定しました。
普段は先生1人と助産師さんだけの病院なので、提携病院から応援の先生がくることになりました。手術は応援の先生が到着する21時過ぎからと決まりました。
実は夫が夕方の診察に間に合わず、先生がかなりイラっとした様子でした。同意書のサインも遅くなったので、無理を言って休んでもらえばよかったです。
これから出産される奥様をお持ちの旦那さん方へ、出産当日はお休みを取るか、呼ばれたらすぐに駆け付けられるようにしておいてくださいね。本当の緊急事態で同意書が間に合わないとか割とシャレにならないと思うので……
出産当日21時過ぎ:夜中の緊急帝王切開
手術の直前、LDRで剃毛や導尿管の挿入などの処置がありました。
その後は手術室まで自力で歩き、手術台にも自分でよじ登ったのですが、昼間にメンタルが死にかけていたのもあり、完全なるネガティブモードの私は導尿の管が痛いだの手術室が寒いだの麻酔の感覚が気持ち悪いだの言って、助産師さんにたしなめられました。「お母さんになるんでしょ!しっかりして!」とかなんだか言われたと思う。
手術はいつもの先生に加え、応援の産科医と麻酔医の合計3人でした。他に助産師さんが数人いたと思います。
手術が始まってからは麻酔の先生と話していたというか、わたしが一方的にクダを巻いていた記憶があります。眠いと言ったらたしなめられました。
おなかの中をごそごそされ、グイッと広げられるような感覚の直後。
「ンギャー!」
あかんぼ爆誕。2948gの女児でした。
わが子と対面
助産師さんが娘を近くに連れてきてくれ、対面しました。
小さなお手々と握手して「お母さんだよ」と言うと「ンギャー!」と元気に返事をしてくれました。娘は本当に可愛らしくて、元気で生まれてくれてよかった。涙がだばだば出ました。
その後すぐに娘の吸引の処置が始まり、ズビビビビビ!「ンギャー!」ズビビビビビ!「ンギャー!」の繰り返しになりました。ズビビビビ!の音が強烈すぎて、大丈夫か娘……がんばれ娘……とか思ってた。
娘の吸引の処置と同時に、私のおなかはさくさくと閉じられていきました。
ちなみに先生たちはのんきにゴルフの話をしてたので何度か「聞こえてるぞ!」とツッコもうかと思いました。娘が元気で、私の出血量も500mL未満と少なかったからこその平和な風景かもしれないので許す。
病室に移動、カンガルーケア
術後はストレッチャーで病室に運ばれました。
両脚に血栓防止のためのポンプ、腕には血栓防止と感染予防と痛み止めの点滴を装着されサイボーグのようになってました。カッケー。
病室の時計を見て、この時間はいつもおなかの中からぐりぐりされてたのに今日はしないのが不思議だなあとか、ぼんやりもの思いにふけっていると、娘が連れてこられました。
きれいに拭いてもらったようで、本当にちいちゃくてあかくて、まさにあかちゃん。わたしの胸元に乗っけられて、まあるくなっていました。
初乳が出たかどうかは覚えていません。記録上はあげたことになってます。笑
娘を胸元にのせたままウトウトするくらい疲れているのに、なかなか熟睡できず、点滴に安定剤を入れてようやく少し眠れました。あ、娘は私がウトウトし始めたところで回収されたので大丈夫です。
想定外の出産を振り返って思うこと
- 妊娠経過が順調だったからこそ万が一を考えておけばよかった
- 妊娠中に娘にプレッシャーをかけなければよかった?
- なんだかんだでベストなお産だった
妊娠経過が順調だったからこそ万が一を考えておけばよかった
産休に入ってから「よいお産」のイメトレばかりで普通分娩以外はまったく想定していませんでした。
私が思い描いていたとおりにはお産が進まず、緊急帝王切開になることが分かると奈落の底に突き落とされたような気持ちになり、事態を冷静に受け止めることができずに大混乱しました。
出産は子どもが無事に生まれてくるまで何が起こるか分からないものなので、よいお産だけじゃなく、万が一を考えておけばよかったと思います。
妊娠中に娘にプレッシャーをかけなければよかった?
これは少しオカルトチックな話なんですが。
実は、予定日前後に生まれてほしくて、予定日5日以前は「まだ出てきちゃダメー」5日前からは「もうそろそろ出てきてねー、なるべく予定日ねー」と、お腹の中の娘に語りかけていたんです。
そしたら本当に予定日ぴったりに生まれてきてくれました。
でも、自力で出てこれないタイミングで卵膜破ってまで出てこなくてもねぇ……帝王切開になっちゃったやん……というわけで、本当に、娘に変なプレッシャーかけなきゃよかった!
……かもしれません。
なんだかんだでベストなお産だった
帝王切開のお腹を閉じたあと、普段は口が悪くぶっきらぼうな先生が「あかちゃん全然なんともなく元気に生まれた、100点のお産やな」と言ってくれました。
破水してから羊水が濁っていることが分かったり、陣痛が起こらなかったりといろいろあって、娘に何かあってもおかしくない状況だったのに、娘は元気に生まれてくれました。本当にありがたくて尊くて。
あれだけ産み方にこだわって、陣痛待ちの間にたくさん泣いていたくせに、娘が元気だったことで何もかも丸ごと肯定できました。
子どもが元気に生きていれば100点です、どんな形であれ。そう思います。
まとめ:産み方にこだわるなら子の安全を最優先したい
これで私の出産体験記はおしまいです。
緊急帝王切開にはなりましたが、娘は生まれたときからとても可愛かったし、2年たった今でもまだまだ可愛い。だから、不妊治療したから/陣痛がなかったから/帝王切開したから愛着が形成されないなんてことはないと思う。
そして、もし、2人目の出産があるとしたら、なによりも子の安全、そして母体である私の安全にこだわって出産したいと思いました。帝王切開してるので予定帝王切開はほぼ確実ですが……笑
これから出産の皆さまへ、ご安全に!