こんにちは、つむり @TsumuRi です。
医薬品業界が長いせいか、身内から謎の質問が飛んでくることが多いです。
薬の使用期限ってどうやって調べるの?
調剤薬局で処方される薬(処方薬、医療用医薬品)には使用期限が書かれていないこともありますね。
医薬品の品質管理を経験した立場からは、使用期限が分からなくなるほどの期間にわたり家庭でなりゆき保管した処方薬は品質が保たれているかどうか疑わしいため、処分してはどうかと言いたいところ。
でも、かくいうわが家にも使い残しの熱冷ましが残っていますし、発熱で小児科を受診するたび「おうちに熱冷ましありますか?」と聞かれ、「いつもらったやつだっけ?体重変わってるけど大丈夫かな?」なんて思うことも多いのです、正直。
ということで今回は、処方薬の使用期限の調べ方についてざっくり紹介します。
- 処方薬の使用期限の調べ方
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- 調剤薬局に問い合わせる
- メーカー名と製造番号から調べる
- 添付文書を参考にする
- 処方薬の使い方
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- 原則:処方日数で飲みきる(特に、市場出荷時と薬剤の状態が異なる場合)
- 例外:あまる前提の薬(頓用薬など)はもらうときに使用期限を確認する
原則的には処方薬が処方日数を超えてあまることはないはずなので、以下は読み物としてお楽しみください。
薬の使用期限を調べる方法
処方薬の使用期限を調べる方法を3つ紹介します。
- 調剤薬局に問い合わせる
- 販売名・製造販売元・製造番号から調べる
- 参考:添付文書で調べる
調剤薬局に問い合わせる
処方薬の使用期限は、その薬を出してくれた調剤薬局(院内処方なら病院)に問い合わせるのがいちばん手軽で確実です。
処方薬の袋やお薬手帳で薬局を調べて聞きます。販売名や処方日が分かればより確実と思います。
薬について心配ごとがあれば薬の専門家である薬剤師に相談できるし、飲み合わせや体重に対する用量をチェックしてもらえる点が心強いです。
販売名・製造販売元・製造番号から調べる
処方薬の販売名、製造販売元、製造番号(ロット番号)が分かれば、下記の手段で使用期限を調べられます。
- 製薬会社の「使用期限検索」で検索する
- 製薬会社に問い合わせる
まず販売名・製造販売元・製造番号を特定します。
いずれも個包装に印字されていることが多いです。
販売名や製造販売元は、個包装に印字がなくても外観から特定可能な場合があります。
記号、番号、色、形状などで検索できるサイトがあるので試してみてください。
製造番号については、パッケージから特定できなければ個人で探るのは難しいです。
方法①製造販売元の「使用期限検索」で検索する
Googleで「使用期限検索」と検索すると、製造販売元の使用期限検索ページがずらっと出てきます。
上から順に見るのは手間なので、製造販売元の名称も入れて検索するとなおよし。
製造販売元の「使用期限検索」ページに必要事項(製造番号、製品名等)を入力して検索すれば、当該製品の使用期限が表示されます。
方法②製造販売元に問い合わせる
製造販売元のホームページで一般向けの問い合わせページを探してみてください。
製品名と製造番号が分かっていれば対応してもらえるはず。
私はもっぱら使用期限検索ページで調べることが多いです
参考:添付文書で「有効期間」を確認する
製造番号が分からない場合は、参考までに添付文書で有効期間を調べてみてください。
上記の総合機構のサイトの「一般名・販売名(医薬品の名称)」欄に名称を入力して検索すると表形式で検索結果が表示されます。「添付文書」の列のリンクをクリックすると添付文書が見られます。
PDFの場合は、1ページ目の左上に貯法・有効期間の欄があります。
少し注意が必要なのは、この有効期間は製造時点からの有効期間であるということ。
調剤薬局でもらった時点までに製造からどの程度の期間が経過しているか分からない以上、安易に大丈夫と判断するのはあまりおすすめしません。
薬局でもらった後、有効期間を超える期間が経過しているから捨てる、という判断に使うことが多いです、私は。
医薬品の使用期限は「未開封」「適切な保存状態」が前提
ここまでに紹介した方法で調べた使用期限が適用できるのは、
- 未開封であること(工場出荷時の包装)
- 適切な状態で保存されていること
これらが前提です。開封済みのものや、未開封でも保存状態がよくないものには適用できません。
データでカバーできない範囲(保管条件、期間など)は、推定はできるけど確たることは言えない、といった感じです。
自宅は病院や薬局に比べると、温度や湿度が高い(厳密に管理されていない)、直射日光が当たる、熱源の近くで保管した、水をこぼした、室温保存のものを冷蔵庫に入れて開け閉めしていたら結露した、などなど、雑になりやすいです。心当たりはないでしょうか?私はめっちゃあります。
また、下の写真のように工場出荷時と異なる包装・状態のものは要注意です。
薬局にて分包した薬は工場出荷時の包装に比べて環境からの影響を受けやすいため、服用を指示された期間内に飲み切るのが原則です。
薬局にて粉末や顆粒を溶解、あるいは原液を希釈して調製する液剤は、一般的に調製前に比べて劣化しやすく、調製時点からの使用期限が別途定められていることがあります。一度に処方される分量を飲みきるまでの期間を大幅に超えて品質を保証できるものではないので、こちらも服用を指示された期間内に飲みきるのが原則です。
調剤薬局でボトルに使用期限を書いてくれることもあります
こういったものが長期間残っていたら、処分するのが吉ですよ。
処方薬は処方期間内に使い切りましょう
そもそも処方薬は個別の症状に合わせた用量・日数分が処方されるものですし、医師・薬剤師の指示に従ってきっちり使い切ってください。きっちり使えば使用期限を気にする場面はそうそうないはず、と思いながら書いています(笑)
唯一の例外は頓用薬(例:痛い時だけ使う鎮痛剤など)
頓用薬は必要な時だけ使うため残ることがあります。もらう時に使用期限を聞いてもいいかもしれません。
赤ちゃんの時期は「熱さましの座薬残ってます?」みたいな会話はあるあるですよね
小児の場合、体重によって薬の使用量を加減するので、使う時点の体重で使用量を計算しなおす必要があります。病院や薬局で教えてもらえますので、「@@残ってます?」と会話した際には、現在の体重に応じた量を聞いておくといいですよ。
最後まで読んでくださりありがとうございました。おだいじに。