この間、トッポンチーノについてTweetをしたんですが、これ3年子育てしていて起こったなかなかの奇跡だと思うんで、思うままに書き散らします。言っときますけどこの記事ポエムですからね!
うちには産前に手縫いしたトッポンチーノ(モンテッソーリの赤ちゃん用お座布団)があるんですけど、3歳娘が何かと問うので説明すると「おかあさん、赤ちゃんの娘ちゃんのために作ってくれたの?うれしいー!ありがとーう!」とえらく喜んで、その日からライナスの毛布のようになってしまった。謎。
— TsumuRi@頭に毬藻が生えています (@TsumuRi) August 2, 2019
梅雨明け以降の猛暑と、体力があり余っている3歳娘の相手にもはやグッタリしていた私、押し入れを整理して娘が上段に登れるよう脚立を置いて秘密基地を仕立てました。娘が楽しく一人遊びしているのでこれはいいぞと思っていたら……
おかあさんこれなに~?
娘が抱えてきたのは、その時まで存在を半分くらい忘れていたトッポンチーノでした。
トッポンチーノとはモンテッソーリ教育由来の小さなおふとんのこと
ご存知ない方のために簡単に説明しておくと、トッポンチーノとはモンテッソーリ教育で赤ちゃんの環境として最適とされている小さなおふとんのことです。
- ベビーとママの匂いがついているのでベビーが安心する
- 生まれてすぐの抱っこが不安な時期でもトッポンチーノごと抱っこすると安定する
などのメリットがあり、最近は各メーカーからいろいろな名前で販売されています↓
元祖であるトッポンチーノや、由来であるモンテッソーリ教育について、詳しいことは「わたしのトッポンチーノ」に書かれています。完成品やキットの販売、ワークショップの開催などもされていますので興味のある方は是非。
http://www.topponcino.com/
娘のためにオリジナルのトッポンチーノを手縫いした話
いきなりカミングアウトですいませんが、私は出産準備から低月齢ベビーの育児まで、ほとんどを某巨大掲示板(←この言い方って今でも有効?)に頼った人です。もはや足を向けて眠れません。サーバーがどこにあるのか知らないけど。
娘を出産した2016年当時、出産準備品のスレッドだったと思うんですが、「トッポンチーノは用意して間違いなし!」と話題になってまして、産休に入ったら絶対作ろうと思っていました。
そして産休に入ってから作ったのがこれ。
オーガニック素材を使用した白のコットン素材を材料とし、頭の部分にフリルをつけるのが正式な作り方ですが、自作トッポンチーノの写真を掲載しているブログをたくさん見て、柄が入っているのも可愛い!と思ってこうなりました。
トッポンチーノの作り方や型紙
トッポンチーノの作り方は、Webデザイナーの朝倉由美さんが公開されている作り方や型紙がとても分かりやすく、私も型紙を利用したので、リンクしておきますね。
https://yumiasakura.com/2811
作り方をざっくり説明すると、
内側のおふとん部分
- 型紙どおりに線を引く
- 縫い代を取って布を裁断する
- 線のとおりに縫って袋状にする
- 綿を詰めて、中綿のずれ防止のため糸で何ヶ所か留める
- 綿の入れ口を閉じる
外側のカバー部分
- 型紙どおりに線を引く
- 縫い代を取って布を裁断する
- 線のとおりに縫って袋状にする
トッポンチーノは手縫いでも作れる
当時はミシンを持っていなかったので、布をカットした後はちまちま手縫いしました。
トッポンチーノは並縫いができればカバーも含めて数日で作れますが、サイズがそれなりに大きいので縫う分量は多くて、肩が凝った記憶があります。しかも洗い替え用にカバーは2枚用意したので、縫う量も2倍という。でもね、このちっちゃいおふとんに、生まれてくるベビーを載せて抱っこすると思うと、あまり苦もなく縫えてしまいました。妊婦のパワー恐ろしいです。
手縫いするよりもミシンで縫う方が作業は早いですし、いずれ入園・入学準備品を手作りするつもりなら、ミシンはあった方がいいですが、入園準備の袋物やお昼寝ふとんのシーツを縫う程度だと直線縫いと裁ち目かがりができれば十分ですし、ある程度本体重量があって動作が安定したものなら入門機でOKだと感じています。
トッポンチーノの材料の購入場所
トッポンチーノの材料は手芸店で手に入ります。基本的に白の無地なのでオーガニックコットンの取り扱いがあるお店なら揃うはず。
私の場合、表カバーに使う可愛いダブルガーゼ生地を求めて、京都のノムラテーラーまで遠征してみたり、おふとん用の綿が欲しくて、商店街のおふとん屋さんにダメ元で突撃してみたり……懐かしい。
オーガニックの中綿も通販できるので、近くにおふとん屋さんがなくても大丈夫です。
トッポンチーノは便利だけど実用品としての使用期間は短い
このトッポンチーノ、某巨大掲示板の評判通り本当に便利でした。
ふにゃふにゃ新生児を抱くときに不安がなくなる
生まれて間もなくふにゃふにゃの新生児を抱っこするときは、首がガックンとならないように支える必要があるんですが、母である私も慣れていなかったので、けっこうおっかないと感じました。
でもトッポンチーノの上に載せてトッポンチーノごと抱き上げると首が安定して不安がなくなったのがまずよかったです。首すわりまではめちゃめちゃ頼りました。
いつでも敷物がある安心感がよい
自宅は畳の部屋だとは言え、新生児を直接置くのが何となくはばかられる心持ちでいたのですが、トッポンチーノごと抱えていればトッポンチーノが敷物を兼ねるので、そのままホイっと置けたのが気分的に楽でした。
おふとんとしては薄く小さいので乾きがよい
うちの娘はかなり吐乳が酷い赤ん坊で、トッポンチーノの上にも吐かれて、しょっちゅうカバーを洗っていました。中までしみたときには中身まで洗ってましたが、トッポンチーノ本体が薄いので夏場は意外とあっさり乾いてよかったです。
ベビーの安心感や背中スイッチ抑制は個人差あり
わが家の場合、トッポンチーノに載せても安心して泣きやむということはなく、母が抱っこしないと呼吸を忘れるまで泣きまくるという癇の強い赤ん坊だったので、安心感があったのかどうかはちょっと分かりません。
また、トッポンチーノで抱っこした状態で眠ってからトッポンチーノごと布団に置いても、背中スイッチが発動して「んぎゃ~!」となることは何度もあったので、そういう意味では楽はできなかったということはお伝えしておきます(笑)
実用品としての使用期間はかなり短い
わが家では生後2~3ヶ月まではかなりトッポンチーノに頼っていたんですが、もぞもぞした動きが激しくなり、ついに寝返りするようになると、トッポンチーノからしょっちゅう落っこちるようになったので、娘もトッポンチーノも畳の上に無造作に転がされるようになりました。娘の方もトッポンチーノに執着するタイプではありませんでした。
子どもによってはトッポンチーノに愛着を持って、そのまま大きくなるまで愛用する場合もあるそうなんです。でもうちはそうじゃなかったし、思ってたより使う期間短かったな~とか思いながら、1歳前には押し入れにしまって、この間まで忘れてました。
ところが。
娘、トッポンチーノに込めた母の想いを3年越しに知る
トッポンチーノをしまい込んでから2年以上経ち、3歳を過ぎた娘がトッポンチーノを抱えて尋ねるわけです。
おかあさんこれなに~?
正直、「えっそんなところに置いてたっけ?」って思ったくらい。
この後は冒頭のTweetの通り。
「それは赤ちゃんのためのおふとんだよ。赤ちゃんの娘ちゃんがねんねするのに使おうと思ってお母さんが作ったんだよ」と説明すると、娘、満面の笑みを浮かべて言うんです。
おかあさん、赤ちゃんの娘ちゃんのために作ってくれたの?うれしいー!ありがとーう!
それでトッポンチーノをぎゅううううって抱きしめて頬ずりして本当に嬉しそうにします。これだけ喜んでもらえたら手作り冥利に尽きます。じ~ん。
その後、娘は眠る時にトッポンチーノを抱きしめるようになりました。ないと困った顔をして探しに行きます。
トッポンチーノは、もしかすると娘にとってのライナスの毛布になってしまったのかもしれません。これまでブランケットやぬいぐるみに愛着を持った様子がなく、眠る時も抱きしめることなく、私にしがみついて寝ていた娘なので、これは本当に大きな変化だと思いました。
時々、娘にせがまれてトッポンチーノを作ったお話を寝物語に聞かせることがあります。母が自分のために母が何かをしてくれたことが嬉しいらしく、話をするたびにウフフと笑ってバタバタする娘です。
ほんわかする反面、移行対象としてのブランケットはもっと幼い時期じゃなかったか?とか、自分が愛された物語をここまで求めて喜ぶって関わり方がよくないのかしら?とか心配が頭に浮かぶ私ですが、娘がトッポンチーノを探すのは眠る時だけだから心配しすぎず様子見かな~と思っています……
出産準備品としての手作りトッポンチーノ
わが家にとっては、実用品としての使用期間はとても短かったトッポンチーノ。
でも使用期間中はとてもお役立ちでしたし、娘が生まれてくることを待ち望んでいた妊娠中の想いを3年越しで娘に伝える触媒になってくれました。
出産準備品として手作りしてよかったなぁと改めてしみじみと思っています。
材料や作り方は至ってシンプルなので、ハンドメイド初心者でも、ミシンを持っていなくても時間さえかければ完成させられるはずなので、手作り派はお試しください。