「あれ?過去形?」と思った方もいらっしゃる方もいるかもしれません。そう、過去形です!
今日は2年以上続いた仕上げ磨きの悩みと、それを解決してくれた絵本「ゆっくとすっく」のお話です。
この絵本を読み聞かせてからたった数日で、ちょっとビックリするような変化が訪れました。
- 娘が自分で歯ブラシを持って磨くようになった
- 仕上げ歯磨きは自分からヒザの上に寝転がって大きな口を開けるようになった
- 仕上げ歯磨き後に自分でコップに水を入れて口をすすぐようになった(水は飲み込む)
今は、この絵本を読んでから「むしばいきんやっつけようか!」と洗面所に誘導するだけでスムーズに歯磨きしてくれるんですよ。
ほんとうに、これまで2年の長きにわたる苦労を思えば夢のようです。
乳幼児の仕上げ歯磨きって大変です
乳幼児の仕上げ歯磨きってほんとうに大変ですよね。
わが家でも、生後3ヶ月で下の前歯が頭を出してから、歯磨きはずっと悩みの種でした。
生後3ヶ月で歯磨きガーゼ開始
生後3ヶ月からは、1日の終わりにガーゼで歯を拭いていました。
最初は手や口を拭くガーゼを使っていましたが、大きすぎて使いにくくかったため、すぐに歯磨き専用のガーゼを使うようになりました。
使い方は人差し指に軽く巻きつけて歯の表面を優しく拭う感じ。キシリトール配合の製品は甘くておいしいらしく、歯を拭いてる間にちゅうちゅう吸ってました。
歯ブラシへの移行も考えて、この時期に赤ちゃん用の歯ブラシを持たせはじめました。
この時期は歯がためを兼ねた丸い形のカメさんがほんとうにお気に入りで、ずーっと噛み噛みしてました。2歳半を過ぎても出してきては時々噛んでいます。笑
木のはがためもあるのに、カメさんばっかり噛んでた娘です……
生後10ヶ月で仕上げ歯ブラシに移行
娘の歯の本数が増えてからも歯磨きガーゼを使っていたのですが、ある日事件は起こりました……。
虫の居所が悪かったのでしょう、いつものように歯を拭こうとしたわたしの指を娘が「ガブッ!」と噛んだんです。
思わず叫んだわたしの見たものは、ニヤッとほくそ笑む娘の顔……。
ガブッと噛むとおかあさんが叫んでおもしろいと思っちゃったようで、その日から毎回本気で噛まれるようになりました。
「ダメ!」と言っても、反応がおもしろいのか叱られた仕返しなのか執拗に噛むので、諦めて生後10ヶ月頃くらいに仕上げ歯ブラシに移行しました。
ちなみに、わが家ではずっとアカチャンホンポオリジナルの仕上げ歯ブラシを使ってます。磨きやすい上、1本48円(税込)と安いのでとても気に入ってます。
1歳代は毎日押さえつけて仕上げ歯磨き
さて、仕上げ歯ブラシを使うようになると、今度は別の問題が出てきました。
ガーゼの時は大人しく口を開けていた娘ですが、仕上げ歯ブラシだと口を開けないどころか、逃げ回るようになったんです。
乳幼児健診では「歯磨きが嫌いにならないように、楽しく優しく撫でるくらいの力でね。おかあさんは怖い顔しないようにしましょうねー!」なんて指導されるんですが、無理。
脚の間に寝かせることがまず無理!
でも1歳8ヶ月健診のカリオスタット検査(虫歯のなりやすさを調べる検査)で「++」が出てしまったので、仕上げ歯磨きしないわけにもいかないし……
結局、脚の間に子どもを転がし、両肩を太ももで押さえつけて仕上げ歯磨きをしていました。1歳のときはずっとこうでしたね。
他にはテレビに夢中になってる間に、口を開けさせて磨いたりもしました。でもわたしの頭が邪魔でテレビが見えなくて、怒るんですよね。
……いろいろやりましたが、当の娘が歯磨きは噛むものと思ってるようで、効率的には磨けませんでした。
2歳頃には仕上げ歯磨きの仕方を選ぶように
娘が言葉を使いこなすようになると、少し様子が変わりました。
仕上げ歯ブラシを持って娘に近づくと「おさえるのイヤ!ひざ!ひじゃまくら!」と主張するようになったんです。
押さえつけられるより、自分で寝転んで口を開ける方がマシだと、本人も薄々分かってきたのかもしれません。
ただ、1分も経たないうちに飽きて逃げようとしたり、歯磨きを噛んだりするので、ちっとも楽にはなりませんでした。
8割方は太ももで押さえつけるコースなので、娘が自分からヒザに寝転ぶまで待つ意味があるのかしらと思うこともしばしば。
ほんとうに、寝る前の仕上げ磨きが憂鬱でめんどくさくて仕方ない日々でした。
こんなにこじれる前に、他になにかやりようはなかったのかしらと今でも思います……
「ゆっくとすっく しあげにはみがきもういっかい」が2歳半の仕上げ歯磨きを変えた!
こんな状況を変えてくれた「ゆっくとすっく」のシリーズには、娘が2歳半の頃、図書館で出会いました。娘がどこかの棚から持ってきたんです。
何度も何度も「よんで!」と催促したり、読んだ後に歯ブラシとコップを両手に持って「ゆっくとすっくとおんなじ!」って見せてくれたり。
なんだか期待できそうな雰囲気があり、それからたった数日で娘の歯磨き習慣が変わったのは、最初に書いたとおりです。
- 娘が自分で歯ブラシを持って磨くようになった
- 仕上げ歯磨きは自分からヒザの上に寝転がって大きな口を開けるようになった
- 仕上げ歯磨き後に自分でコップに水を入れて口をすすぐようになった(水は飲み込む)
さて、気になる絵本の内容は…?
「しあげにはみがきもういっかい」の登場人物
物語の主人公は男の子のゆっく、女の子のすっく。ふたりはとっても仲良し。
お話の中で身につけていく生活習慣から見るに、まさにうちの娘と同じくらいの年齢です(年齢は明記されてません)
それから、動物のおともだちが3人います。くまのぺろりと、うさぎのふわり、りすのくるりです。
動物のおともだちは、おにいちゃんおねえちゃんポジション。主人公のふたりがまだできないことを優しく教えてくれるんですよ。
「しあげにはみがきもういっかい」の物語
「しあげにはみがき もういっかい」は、こんな5人と悪役「むしばいきん」が繰り広げる、仕上げ歯磨きをめぐる大冒険です。
ある日、仕上げ歯磨きがイヤでおうちから逃げ出したゆっくとすっく。
途中で動物のおともだちにわけを話すと、三者三様に仕上げ歯磨きをしようとするんですが、それでも逃げ出すゆっくとすっく。
逃げ出した2人がたどり着いた先は「むしばいきん」の森だったのでした……ギャー!
ちなみにハッピーエンドなのでご心配なく
だいたいオチは読めると思うんですけども、こんな感じの単純明快、自業自得、そして勧善懲悪と三拍子揃った物語です。
「ゆっくとすっく」の魅力は?
娘にとって「ゆっくとすっく しあげにはみがきもういっかい」の何がよかったのかしらと考えると、
- お友だちと一緒にしたい気持ちをくすぐる
- おにいちゃんおねえちゃんが教えてくれる
- 虫歯が怖いことをビジュアルで理解できる
というところが、特によかったんじゃないかなと思います。
お友だちと一緒にしたい気持ちをくすぐる
娘のいつもの様子を見ていると、親が「ああしなさいこうしなさい」と言うよりは、自発的にするのを待つ方がスムーズに進むことが多いんです。
特に保育園では、おともだちが自分でアウターを着たり靴を履いたりするのを見て刺激されるようで「いっしょに!」と頑張っています。
「ゆっくとすっく」の絵本では、同じ年頃のおともだちのゆっくとすっくがいろんなことに挑戦しているのを見て、刺激を受けているのかなあなんて思います。
そういえば、大学時代の友人が「うちはトイレも歯磨きも全部しまじろうに躾けてもらった!」なんて豪語してました。うちの娘はこどもちゃれんじのDVDはイマイチみたいですが、しまじろうとおともだちになれる子にはいいのかも!
おにいちゃんおねえちゃんが教えてくれる
「ゆっくとすっく」の物語は子どもの世界で完結していて、親はほとんど登場しません。
物語の中でゆっくとすっくはいろいろな生活習慣に挑戦しますが、お手本を見せたり教えたりするのは、いつも3人の動物のおともだち。
3人というのがまた絶妙ですよね!
また、やってみるかどうかの意思決定は、いつもゆっくとすっく自身に任されているんです。
物語の中に「ねえねえ、ちょっとやってみたらどうかな?できるようになったら嬉しいよ!」って雰囲気があるんですよね。
「学ぶ」の語源は「真似ぶ」だという話もありますし、上手にできるおともだちや、練習しているおともだちの真似っこをする方が響くのかも。
親は気をつけていても上から目線で押しつけがちになるので、絵本が親にはできない役割を果たしてくれることはありがたいです。
虫歯が怖いことをビジュアルで理解できる
この年頃の子どもに、未体験のことを説明して理解してもらうのはなかなか骨が折れると思うんです。
実際、「歯を磨かないと虫歯になって歯が痛くなっておいしいものが食べられなくなる」と説明をしてみたこともあるんですが、「いたいの?」と言うだけで、届いている感じはありませんでした。
そんな娘でも、この絵本の「むしばいきん」に取り囲まれるビジュアルのおかげで、仕上げ歯磨きをしないとイヤな目に遭うことや、仕上げ歯磨きで「むしばいきん」を追い出せることは分かったみたいです。
(多少の誇張はあるとは言え)娘が虫歯のヤバさを理解してくれたので、わたしの毎晩の仕事は、娘と一緒にむしばいきんをやっつけるだけになりました。
とは言え、虫歯は歯磨き不足だけが原因ではありません。口内のpHが酸性側(pH<7)に傾いている時間が長いことも原因なんですよね。
2歳を過ぎてから歯科健診で教えてもらったんですが、歯磨きしててもダラダラ食べしてると虫歯になりやすいので、食事や間食を規則的に取ることもほんとうに大切なんです(参考:花王ヘルスケアナビ)
これを娘に伝えていくのがわたしのこれからの課題かな?
「お説教くさい」という夫も成果は認めている
母親であるわたしにとっては、親のできない部分で育児を手伝ってくれる頼もしい絵本なんですが、夫には少し不評です。
夫いわく「お説教くさいのが鼻につく」そうで。
夫の言うとおり、シリーズの中の別の本にはそういう雰囲気もあるので、好みに合わない人もいるかもしれません。
とは言え、娘が「ゆっくとすっくといっしょ!」と歯を磨くようになった実績は夫も認めてます。
シリーズ展開で他の生活習慣も伝えられる
「ゆっくとすっく」のシリーズ、歯みがきだけではなく他の生活習慣もシリーズ展開しているのも嬉しいんです。
たとえば「ゆっくとすっく トイレでちっち」。
2歳半を過ぎてもまったくトイレに興味を示さず、オムツでしても何も言わなかったうちの娘。
ところが、「トイレでちっち」を読んでから数日で「トイレやってみたい!」とトイレに走って便座に座るようになりました。
オムツでした後にトイレに走ってるので、あんまり意味はない気もするんですが、興味を持ってくれてよかったなと思いつつ、気長に眺めてます。
こじれる前に「ゆっくとすっく」に出会いたかった!
というわけで!
わが家の2年以上の長きにわたる仕上げ磨きの悩みを、さくっと解消してくれた「ゆっくとすっく しあげにはみがきもういっかい」、子どもの歯磨きに悩める親御さんに全力でおすすめしたい感じです。
娘に「ゆっくとすっく」というおともだちができたおかげで、今後の成長の中で出会う生活習慣の課題にも楽しく取り組んでいけるだろうなと思ってます。
ほんとうに、もっと早く出会いたかったーーー!!!
わが家のように仕上げ歯磨き問題がこじれる前に、是非お試しくださいませ。