JTF翻訳祭に参加申し込みしたということもあり、久しぶりに自前の名刺を作りました。
実は以前にもオフ会用に名刺を作ったことはありました。その時はインクジェットプリンタで完全DIYしたんですが、今回は同業者さんとの交流用。さすがにインクジェットプリンタもどうかなあと思い、初めてラクスルでネット印刷してみました。
わたし自身、「ネット印刷でサクッとお手軽に頼みました」で終わると思っていたんですが、名刺を作るときにほんとうに悩むのは「どこに頼むか」じゃなくて「なにを載せるか」だったんです。
なにを書いたら相手の印象に残るのか、出会った方との会話のとっかかりになるのかなど、ほんとうにいろいろ考えました。
というわけで今回は、初めてのネット印刷を頼んだ経緯や納品後の感想と、参考までに名刺に載せる項目の考え方をまとめてみました。
ネット印刷業者を選ぶまでの経緯
ネット印刷にした理由
今回ネット印刷にした主な理由は、子どもが眠っている空き時間に作業して完結できるからです。
イヤイヤ期の2歳半を連れて印刷屋さんの店頭に出向き、そこでしばらく相談するとか、考えただけでゾッとしません?
また、子どもと一緒に過ごせる時間はなるべく子どものために使いたいという想いもあるんですよね。
ネット印刷の品質の口コミは?
印刷屋さんがネット印刷の品質を検証した記事を読んだんですが、いずれの業者も「安かろう悪かろうではない」とのことでした。
印刷屋さんがそう言うくらいだから、価格と納期だけで選んでも大丈夫だと判断しました。

ちなみにこちらの印刷屋さん、ブロガー名刺で有名らしいですよ
ネット印刷業者を比較
印刷品質に差がないなら気になるのは価格帯。
そりゃお金をかければ素敵なものは作れるんでしょうけど、名刺は情報の更新が必要なので、マメに刷り直しできる価格帯って大切です。
今回見てみたのは比較的安いところで、100枚500円~1000円程度のラクスル、プリスタ、ビスタプリント
の3社。
名刺の表面にはSNSの情報、裏面にはこれまでの経験分野を少し詳しく載せるつもりで、名刺の仕様は、表面カラー、裏面モノクロを想定しました。
今回時間的に余裕があるので、納期は発送まで1週間(+配送に2~3日)という条件でOK。これはたいていのネット印刷がクリアできるラインです。
デザインテンプレートは使用せず、Microsoft OfficeでDIYすることにしました。
この観点で3社を比較してみるとこうなりました。
プリスタ
プリスタは業界最安値をうたっており、名刺100枚140円~の文字がサイトトップに踊ってます。
ただし、これは片面モノクロ印刷、紙は上質紙180kgの場合。
わたしの想定の表面カラー、裏面モノクロの場合は100枚440円でした。
さらに、紙をラクスルと同じマット紙にすると100枚900円で、一気にお値ごろ感がなくなりました。残念!
が、この料金で最短当日出荷なので、時間のない時にはよいと思いました。
ラクスル
ラクスルは最近CMしてるのでけっこう有名だと思います。
スタンダードな名刺だと、片面モノクロでも両面カラーでも料金は変わりません。
納期を受付日から7営業日後に設定すれば100枚463円です。
1営業日後の設定だと1200円なので、時間のない時はプリスタの方がよいです。
ビスタプリント
ビスタプリントは何よりもオシャレなテンプレートが多いことが評判。なんと「ママ名刺」なるカテゴリまであるんですよ!
表面カラー、裏面モノクロだと100枚1370円、納期は4~5営業日。
他の2社よりも料金が高いし、時間もそれなりにかかるので、どうしてもここのテンプレートを使いたい人向けだと思いました。
今回の結論は「ラクスル」
比較的低価格な3社を比較した結果、今回は最安値のラクスルにお願いしてみることにしました。
ざっくり比較した印象にすぎませんが、名刺の印刷仕様や納期などの条件によって最適な業者さんは全然違うので、少しでもお得に印刷したいと思ったら名刺を作成するたびごとに比較するのがいいと思いました。
ラクスルでの注文から納品までの流れ
前提として、デザインはMicrosoft PowerPointで自作してPDFで入稿する形にしました。
注文から納品までの流れはラクスルのご利用ガイドに記載の通りですが、ところどころ引っかかる点があったので、ポイントだけまとめてみます。
ラクスルサイトから注文する
ラクスルは注文と入稿のプロセスが分かれています。
注文だけして入稿は後日でもOK。ただし、納期までの7営業日というのは「注文代金を支払った日」ではなく「入稿してデータを確定した時点(受付日)」から数えるんですね。
わたしの場合、作業時間がなかなか取れず、注文からデータ入稿まで3日ほどかかってしまいました。納期を決める際は、このタイムラグは考慮した方がいいと思います。
デザイン用の白紙テンプレートは注文前でもダウンロードできるので、注文前にデータを作っておくのがベストです。
Microsoft PowerPointで原稿作成
原稿作成についてはラクスルの印刷用データ作成ガイド必読です。
データ作成にはPowerPointを使いました。両面刷りにしたので、表面用と裏面用を別々に作りました。
デザインの際の注意は、必ずガイド線を表示して作業することくらい。あまり端っこまで文字やイラストを入れると、裁断のズレで切れることがあります。
ラクスルはPDFに変換してからの入稿を推奨しているので、PowerPointのデータをPDFに変換したら完成。
PDFへの変換は本当に大切なところで、PDF以外で入稿すると原稿と仕上がりが全然違うことがあるんです。ひと手間かけることを惜しまずに。

PowerPointのまま入稿すると、メールアドレスが全部大文字に変わったりしますよ……(←やらかした)
PDFでデータ入稿
いよいよ入稿となれば、急いでなければ「オペレーターチェック入稿」にした上で、最終確認は「PDF確認あり」にするのがおすすめです。
入稿後に変えたくなることって絶対あるので、そこでいったん止めてやり直す機会を確保できるのはよかったです。
幸い、データ再入稿も可能なシステムになってます。
データのチェック・最終確定
入稿後、半日ほどでデータをチェック・最終確定するよう依頼メールが飛んできました。
メールに従い、PDFをダウンロード、仕上がりイメージを確認してOKならデータの最終確定、修正が必要なら再入稿依頼します。

2回ほど再入稿しましたかねぇ…(←迷惑)
納品
データの最終確定からちょうど7営業日目に「名刺 出荷のご案内」と題したメールが飛んできました。
わたしは納品をメール便でお願いしたので、さらに2、3日後にポストを開けると、長形3号サイズの封筒が入っていました。超シンプル。
封筒を開けると、半透明のプラケースに入った名刺が登場!
デザインはさておき(笑)、印刷品質は予想以上に良かったです。詳しくは次項で。

やー、さすがにユルすぎない?って思ったんですけどね、もう10年以上の付き合いのアイコンなので今さら変えられなかったんですー
ラクスルでネット印刷した感想
印刷品質
印刷品質は先ほどの画像がすべてなのですが、文字は鮮明に印刷されていました。
Twitterアイコンの画像も画面で見た通りに印刷されていました。
惜しむらくは、アイコン画像の解像度が低解像度(400×400)だったこと。もっと高解像度の画像なら、さらにきれいに出力されたんだろうなあ。アイコントレースして書き直そうかしら。
ラクスルのいいところ
店頭に行かずに自宅でスキマ時間の作業で注文できるのはとてもよかったです。
また、原稿のチェックや再入稿のシステムがあるのも、間違いが許容できない「名刺」という印刷物だからこそ安心感がありました。
それからやっぱり料金が安いところ。7営業日待つとは言え、ワンコインでこの品質はありがたいと思いました。
ラクスルの不便なところ
ラクスルはデータ作成や入稿はすべてパソコン作業。
うっかり子どもと一緒に寝てしまうことが続くと、パソコン作業の時間を確保できず、作業が先に進みません。これは意外な落とし穴でした。ラクスルのせいじゃなくてわたしのせいだということは強調しておきます。
子どもと一緒に寝てしまうのは最初から分かっていたので、いちおう対策も考えていたんですよ。
できる作業はスマホで済ませる
今回、文章はスマホのEvernoteアプリで作成し、子どもが寝ているスキにパソコン上でPowerPointにデータをコピペするという作戦にしました。
この作戦だと、いちばん大切な連絡先や文面はスキマ時間にスマホで作成できますし、Evernoteのデータはパソコンからも見られるため、Powerpointへのコピペ作業も簡単。
変にこだわりを持たなければ、パソコン作業は20分程度で終わります。
Evernoteを活用してスキマ時間で作業しても、注文からデータ入稿まで3日というけっこうなタイムラグができてしまったので、今後のために、もっと便利な方法がないか探してみました。
スマホだけで完結できる業者さんに依頼する
スマホだけでデザイン作成から注文まで完結できる業者さんがないか調べてみると、whooがスマホでの注文やデザイン作成に対応していました。
ただし20枚3550円(100枚だと5080円)で、納期は5営業日後と、あまり気軽に頼める感じではありません……
デザインだけ外注するという手もある
最近、ココナラというサイト経由で、Twitterアイコンやブログデザインをプロのデザイナーさんに頼んでいる人をよく見かけるなあと思ってまして。
もしかして、名刺デザインもあるかしら?と覗いてみたら、ありました。
デザイナーさんによって異なりますが、価格帯はデザインのみで片面1000円から。3000円前後の設定が多いみたいですが、上を見ればキリがない世界でした。
両面デザインや特別なお願いをする場合は、オプション注文になり値段がどんどん上がるのが恐ろしいところですが、オリジナリティのあるものが欲しいけど時間がないという人には悪くないのかなー。
ま、わたしは調べた上でDIY派です。

ちなみにココナラに翻訳サービスを出品されている方もいらっしゃいました。これは新しいかもしれない……
総合的には大満足でした
それなりに不便さもないわけではないのですが、ネット印刷のラクスルに名刺を発注してみた結果、低コストで品質のよいものが納品されてきて、総合的には大満足。
特に、店頭に行く時間がない場合は自宅ですべて完結できるネット印刷は使い勝手がよいと思いますよー。
翻訳者が名刺に載せる項目の考え方

さてさて、ここから急に話が変わるのですが……
名刺に載せた項目はさっき紹介した画像の通りですが、項目はけっこう悩んだんですよねー。
あまりに決まらなかったので先輩翻訳者さんのブログを読み漁って参考にしました。
- イベント参加に先駆けてSNS名刺を持とう
- フリーランス翻訳者の名刺:みなさんは、どのような名刺を使っていますか?
- フリーランス翻訳者が作るべき名刺とは?
- Zazzleで名刺を作る(満足できなかったらやり直し可能)
基本的な考え方としては、「同業者との交流用」と「翻訳会社等への営業用」など、2種類以上の名刺を使い分けるのがよいみたいです。
要点だけまとめると、
- 同業者との交流用名刺
⇒個人情報は何から何まで記載する必要はない(むしろセキュリティの観点から情報を絞った方がよい)
⇒いわゆる「SNS名刺」や「ブロガー名刺」の延長と考える。覚えてもらうことが最大の目的だけど、顔写真やSNSアイコンなどがないと記憶に残らないので注意。
⇒ブログに詳細情報があれば、名刺には詳細を記載せずブログへ誘導するという考え方もある。 - 翻訳会社等への営業用名刺
⇒名刺の内容から登録データを入力したり、郵便物を送ってもらう可能性もあるので、個人情報は詳細な方がよい。
そして、うーんと悩んだ結果がアレ。
表面にはWeb上で連絡を取るために必要最低限の情報を、裏面には少し詳しい自己紹介として、ブログに書いていない部分の経歴を載せることにしました。
裏面にはブログの宣伝もちょっとばかり。QRコードはブログのURLです。

翻訳祭で頂戴した名刺を拝見して、表面顔写真、裏面SNSアイコンのデザインは、オンでもオフでも思い出せて素敵だと思いました♡
