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翻訳初学者が学習の入口に通信講座を受講して後悔した話……失敗の理由を恥を忍んで公開

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翻訳学習の入口に通信講座を受講して後悔した話。失敗の理由を恥を忍んで公開
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こんにちは、です。派遣業務の一環で技術文書を翻訳しています。

私は学習の入り口として翻訳の通信講座を受講しました。

翻訳の通信講座といえば、とある通信講座の詐欺的な手法が翻訳業界で問題になって炎上しました。実力がつかないばかりか、何も知らないまま業界のブラックリスト入りする恐れもあると注意喚起されていますので、これから通信講座を受講される方はご注意ください。

よくよく考えると、信頼のおける通信講座を受講しても、受講者の姿勢次第で通信講座に貢ぐだけの結果に終わる可能性は否めません。

私も複数の通信講座を受講しましたが、受講するメリットを最大限に活かせたとは言い難く、後悔が残っています。

本記事ではいわゆる「初学者あるある」を恥を忍んで公開します。

つむり

本記事には過去に受講した通信講座の具体的な名称が出てきますが、特定の講座をdisる意図はありません。ご了承ください。

もくじ

翻訳の通信講座を受講して得られたもの

これまでに以下のような通信講座を受講しました。

通信講座講座*1受講料*2
DHC
(公式:DHC通信講座
イングリッシュ・プラス〈完全版〉
英日実務翻訳コース
英日メディカルコース
29,700円
51,700円
103,400円
フェロー・アカデミー
(公式:翻訳専門校フェロー・アカデミー
実務翻訳〈ベータ〉
58,000円
総額4講座約24万円
*1:DHCの通信講座は2020年5月にリニューアル(リンク
*2:料金は2019年11月時点のもの

通信講座に約24万円の受講料を支払い、私が得たものは以下の4つ。

  1. 訳文作成の技法
  2. 専門分野の知識・調べ方(専門分野の講座の場合)
  3. 提出課題の添削、質問への回答
  4. 成績優秀者は提携する翻訳会社に推薦(※講座による)

①②は翻訳に関する市販の書籍や各分野の専門書でも得られる上、市販の書籍の方が内容が濃いこともあるので、通信講座独自のメリットとは実質③④のみだと言えましょう。

特に学習を始めた頃は、そもそもの学習方法や専門分野の情報の調べ方が分かっていないこともあり、ハイスペックの売れっ子翻訳者になれる近道があるかもしれないなどと、通信講座に過剰な期待を抱いてはいないでしょうか……?

つむり

かつての私です

通信講座を含め、商品の販売ページは一般的にセールスライティングの技術を用いて読者がその気になるように書かれているので、何も知らない頃こそ要注意です。

過度に警戒する必要はありませんが、得られるものが何であるかは冷静に見極めましょう。

つむり

この点で、冒頭で触れた詐欺的な通信講座の販売ページのライティングはリスペクトに値します(皮肉です♡)

さて本題。

翻訳の通信講座を受講して分かったこと

以下、受講したことのある通信講座についての主観的な感想として聞いてください。

翻訳の通信講座のテキストは専門分野の学習に必要十分ではない

通信講座のテキストは全体的に割と薄い印象です。

市販の書籍の方がページ数が多く、特に図解は多色刷りの方が理解しやすいため、市販の書籍に分があるかと。

通信講座のサイトを見ただけだと通信講座だけですべてをまかなえるように錯覚しますが、冷静に考えるとあんなに薄いテキストにすべてが書かれているわけがありません。

翻訳の技法について

翻訳の技法については、関連書籍が数多くあります。

私はメディカル分野(医学/薬学)の通信講座を受講しましたが、解説や例文は医学英語/薬学英語の専門書の方が豊富でした。

専門知識について

実務翻訳で専門的な文書(すなわち専門家が業務で触れる文書)を訳すのであれば、最低でも大学の教科書レベルの内容の理解が必須なのは自明です。

そして、大学の教科書レベルの内容を通信講座の薄いテキストでまかなうのはどう考えても無理があります。

専門家は専門家になる前にも相当量学習しますし、専門家として働き始めた後にも自己学習を続けるんですよ。

ということは、専門的な文書を訳すならばそれについていかなければならないということです。

つむり

……が、いけると思っちゃうんですよ、何も知らない頃って……

添削課題とのレベル差を埋めるための副読本は専門書

通信講座の受講中、テキストの内容を把握するだけならそれほど大変ではありません。

薄いテキストはすぐ読めますし、頭に入れるため全文を写してもそれほど大変ではありません。

つむり

写経しますよね?しませんか?

ただし、添削課題に取り組むとなると話は別です。

メディカルの講座の場合、添削課題は医学/薬学の専門文書(報告書や論文など)の抜粋です。

当然ながら通信講座のテキストの知識だけでは太刀打ちできず、かといって専門書を何冊も購入するお金もなかったので、図書館で専門書を借りまくりました。

自治体が運営する図書館の蔵書は一般書中心で医学/薬学の専門書は少ないので、主に看護師や介護士対象の書籍を借り出しました。他にはインターネット上の資料(公的機関・学会のウェブサイトの公開資料、MSDマニュアルなど)をあたったり、それでも足りない分は府立図書館まで足を運んで調べたり。

結果、翻訳の通信講座のテキストに向き合う時間よりも、専門書を探したり読んだりする時間の方がよほど長かった。

通信講座のテキストは各分野の概要を紹介するのみであり、深く理解するためには専門書が必要です。

通信講座のテキストで学習したくらいでは、添削課題はもとより実務には歯が立ちません。

通信講座のメリット「添削」と「質問の権利」

散々な書きようですが、別にこの手の通信講座がまったくムダと言いたいわけではありません。

通信講座には、課題の添削や質問の機会、翻訳会社への推薦システムがあるのです。

市販の書籍ではそもそも機会が得られませんよね。

私が利用した通信講座では、課題の添削はとても丁寧にしてもらえました。

質問に対する回答も丁寧に作成されていることが感じられました。添削者が親切な方だったのか、講座の内容というより実務面について質問しても、納得できる回答をいただけました。

つむり

その節はイレギュラーな質問をしてすみません

通信講座では受講者のレベルに応じて個別対応していただけるので、クセや弱点、さらには長所を客観的に見つめる機会になります。翻訳を仕事にする前にはツテがないので、自分の訳に対するフィードバックが得られる機会は本当に貴重です。

これらを最大限に利用できるなら通信講座には金額相応の価値はありますし、独学で迷ったり行き詰まったときの起爆剤として検討するとよいですね。

せっかくなら成績優秀者になって「翻訳会社への推薦」をもぎとろう

成績優秀者を翻訳会社へ推薦するシステムも通信講座のメリットです。

DHCの通信講座では、DHC翻訳部門や業務提携先への推薦システムがあります。

ただし推薦は狭き門で、これまでの実績が翻訳講座全体で190名、トライアル合格後に登録という形です。

そもそも職務経歴書に書ける実績がないとトライアルを受けられないという話もあるので、推薦制度のある講座を受けるのなら、成績優秀者になって推薦をもぎ取る意気でいきましょう。

私はDHC翻訳部門への推薦には届かず、提携先への推薦の権利をいただきました。

具体的には、クラウド翻訳「訳す YAQS」のトライアル免除と、CRO(医薬品開発支援)のシミックへの紹介。受講終了が産休前だったので見送りましたが、もったいないことをしたかもしれないとはいまだに思っています。

つむり

シミックは2022年現在DHCのサイトで確認できませんでした(もうやってないかも)

【結論】通信講座の効果を最大化するには受講前に独学を極めるべし

翻訳の通信講座を受講して得られるものは以下4つです。

  1. 訳文作成の技法
  2. 専門分野の知識・調べ方(専門分野の講座の場合)
  3. 提出課題の添削、質問への回答
  4. 成績優秀者は提携する翻訳会社に推薦(※講座による)

このうち、①②は市販の書籍の内容が濃いので、通信講座独自のメリットは実質③④だけです。

添削や質問の機会を最大限に活用し、さらには翻訳会社への推薦を狙うため、独学でやれることを極めてから受講することをおすすめします。

つむり

受講自体は後悔してないけど、独学が足りなかったことは後悔

通信講座にはそれなりにお金がかかりますし、同じお金を払うならリターンが最大になるタイミングとコンディションでいきましょう!

当記事内で紹介した翻訳講座

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