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医薬品分野の技術文書作成・翻訳・校正のお仕事の経歴について

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こんにちは、つむり(@TsumuRi)です。
➡初めての方は自己紹介もどうぞ

このブログではお仕事のことも少しだけ書いているのだけど、プロフィールには詳しく書いていないので、お仕事についても掘り下げて書いてみますね。

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医薬品分野の技術文書の作成・翻訳・校正をしています

私は大学時代に化学を専攻したいわゆるリケジョの経歴を生かして医薬品分野の技術文書の作成・翻訳・校正のお仕事をしています。扱う文書は日英両方です。

時々「メディカルライター」と言われることがありますが、現在は臨床分野の文書はほぼ扱っていないため私本人は「メディカル?チョットチガウ……」と思っています。得意分野は品質です。

臨床分野もお仕事として経験したし勉強もしたけれど、(品質分野と比較して)背景知識の薄さが不安材料でした。品質分野とは文体が異なり難しいと感じたし、なにより、解釈の誤りでユーザーに健康被害が出る可能性があるため、不安材料を残している状態が恐ろしかったです。

私のルーツは化学なので、化学を強みとして生かせるフィールドで勝負していきたいなぁと思います。

オフィス勤務の派遣社員から在宅勤務の派遣社員になりました

文書作成・翻訳・校正は在宅ワークの代名詞ですが、私はオフィスに出勤して働く派遣社員でした。2020年春以降はコロナ禍への対応により在宅勤務に変わりました。

派遣社員のお給料は控えめですし、勤務地が大都市に集中していることから通勤時間は長め。フリーの在宅ワーカーさんにしてみればオフィス勤務の派遣社員はデメリットだらけと思われるかもしれません。ただ、経験が浅いうちはそれなりにメリットもあります。

  • 雇われる時のハードルが低い
    ⇒特定の業務の経験年数がネックになる場合は他のスキルを抱き合わせにして潜入可能
  • 実務経験が稼げる
  • 収入が安定している
  • 依頼者との距離が近い
    ⇒指導が細かく本音が聞ける
  • 業界の情報や動向が無料である程度入ってくる
    ⇒情報を得るためには普通はお金がかかる

現在の雇用形態で続けているのはこのあたりが理由です。

子どもがまだ小さく、なかなか思いきったことがしにくいという事情もありますが、いざとなればいつでも独立できるよう準備だけはしておきたいなと。

関連記事:
翻訳実務経験をゼロからイチに!派遣で働くメリットとやりたい仕事をもぎ取るための処世術

得意分野は医薬品(品質)です

出産と子育てによるブランクはありますが、社会人になってからずっと医薬品業界で働いています。

元々化学系出身の私は最初は技術者として働いた後にデスクワークに転向しました。自分でデータ収集するのも悪くないけれど、蓄積されたデータに基づく資料作成に携わる方が、興味深い情報に触れる機会が多く、ユーザーに近くて魅力的だと感じたからです。

もの作りの上流よりもユーザーの近くが好きです。大学に居残らず民間企業に就職したのもそれが理由。

技術文書の作成のお仕事について

大学時代の論文作成や技術者時代の報告書作成や手順書作成まで含めてよければ20年(社会人になってから10年あまり)経験を積んだ計算になります。技術者時代は和文が中心でしたが現在につながる基礎を作ってくれた時代かと。

文書作成が中心になったのは2014年頃から。この時期から和文/英文両方を扱うようになりました。ちなみに内容はかなりお堅いです。規制当局への提出資料(主に医療用医薬品の製造販売承認申請資料)の経験が最も豊富です。

いちばん楽しかったのはプレゼン資料作成。医療関係者向けの説明資料や医薬情報担当者(MR)向け資料など内容は堅いですがビジュアルが豊富でカラフルな資料は作っていて楽しかったです。中身は技術資料や論文の要約なんだけど…(苦笑)

技術資料は構成や用語などに規定があり、作成方針やデータが揃ったところから作成することがほとんどなので、構成力はあまり身につかないような気はしています。

技術文書の翻訳のお仕事について

私が翻訳に興味を持ったきっかけは多分「誤解」から始まっています。

まだ技術者だった私が実験に明け暮れていた頃、隣の部署(薬事部)では規制当局への提出資料を作成している人たちがいて、興味深い情報に触れられる上に楽そうに見えたんですね。そして、あの人たちと同じ仕事をするにはエラくなるか英語ができるようになるかの二択だと感じた私は、まずは翻訳ができるところまで語学力を上げようと思ったのでした。

この時点でいろいろと勘違いをしていたことが後で判明するのですが、若気の至りということで許してあげてください。てへぺろ。

当時は英語はそれほど得意ではなかったので思い立ってから何年もかけて集中的に英語を学びました。その過程はこのブログでも公開しています。
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現在は日英・英日両方向の翻訳をするようになりましたが、分量的には英日が増えてきました。

周囲の人たちは英語の読み書きにまったく不自由しておらず、専門知識も豊富なので気の抜けた文章を書くとすぐにバレて指導が入ります。どうしてその表現を選んだのか説明できない文章を書くとボコボコにされます。おそろしや。ただ、こういう環境に身を置けば腕を磨かざるを得ないという点でよい環境だと思います。

技術文書の点検・校正のお仕事について

技術文書は正確さが命!ということで、他の人が作成した資料の点検・校正もしています。

私よりも経験豊富な方が作成したものがほとんどなので、構成を直すことはほぼありませんが、数値の正確性や、同一文書内はもちろん根拠資料や関連資料との間に矛盾した記述がないか、すべての記載についてデータや科学的知見の裏づけがあるかを目を皿にして見ています。

個人的には実験操作などは読者が引っかかりなく再現できるかを気にしてしまいます。技術者上がりだからと思いますが、一連の操作が時系列になっていないとおしりがムズムズするのです。

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医薬品分野の技術文書の作成・翻訳・校正を通じて思うこと

この仕事をしていて嬉しいとき

この仕事をしていて嬉しいときは、細やかな配慮の行き届いた文章を書く人に出会ったときです。

もちろん、自分の作成した資料がほぼ手直しなしで使ってもらえた時はすごく嬉しいですが、それ以上に、秀逸な赤入れを受けたときの方が痺れます。

まだまだ字面をなぞるだけの私の文章に隅から隅まで知り尽くした人の手が入ると、文章が化けます。翻訳であれば原文の書き手が単語の選択ひとつひとつに込めたであろう、心の機微や戦略まで汲んだ文章になる。私もそんな文章を書けるようになりたいと思うと同時に、まだまだやることがある、まだまだ上を目指せると思ってワクワクします。

この仕事をしていて悲しいとき

いちばん悲しいのは、点検時に明らかなミスが発見されたときです。

例えば数字や用語の間違い、翻訳なら訳ヌケや明らかな誤訳。このようなミスをセルフチェックで発見できなかったことに対してすさまじい自己嫌悪に陥ります。それを糧にして前に進むしかないんだけど悔しいですね。

その次に悲しいのは明らかに品質の良くない資料をチェックしているときです。
品質の良くない資料のチェックは時間がかかり、イチから書き直す方が早いこともザラにあって、これだけ手を入れるなら最初から私が書いた方がよくないか?と思うこともしばしば。これは質の低い成果物に対して職場の人たちがものすごく辛口なのもあると思います。

プロ翻訳者からは悪しざまに言われることの多い機械翻訳がだんだんよくなっていて、「ざっくりでいいものだ機械翻訳でお願い」と言われることも増えています。機械ではまかなえないレベルの仕事をできる人だけが生き残れる時代は、多分もう来ていると思います。

仕事における私のスタイル

同様の仕事をしている方は皆さん共通だと思いますが、裏を取ることと根拠資料を読み込むことを信条としています。数ページの資料を書くのに100ページ超えのレポートを読むこともザラですし、裏を取るためにさらに文献検索をしたり資料をあたったり、付随する業務も多々あります。文書を書いたり訳したりする時間よりも探し物の時間の方が長いかも。

納得するまで資料を読み込めるのも派遣社員のメリットかもしれませんね。時給制の派遣社員は成果物の量で報酬が決まることはないないので、締め切りの許す限りは質を追求できます。逆に、効率化して量をこなせるようになっても報酬が比例するわけではないのが悲しいところ。派遣社員は時給交渉はできますけど、大幅に上がるものではないので。

関連記事:
派遣社員は時給交渉できる!交渉のタイミングや方法を実体験から説明するよ

フリーだと1案件ごとに報酬を得られるので、自分の名前で仕事を取ってこられる実力があれば派遣社員である意味はなくなるのかなと思います。

これからやりたいこと

子育ても少し落ち着いてきたので、勉強会やイベントなどに参加してキャリアに繋げたいなと思ってます。イベントには参加しやすい地域に住んでいるので、地の利を生かさない手はありませんし、コロナ禍でリモート勉強会が増えているので以前より勉強しやすい環境になったと感じています。

いささか想像が先走ってますが動き回ることで得た知識や経験を(書ける範囲で)ブログにまとめていくのも楽しそうだなと思ってます。ここは育児日記の延長で始めたブログなので、どこまでごりごりな情報を入れていくか迷うところなんですけどね。

そういえば、フリーランス翻訳者として活躍されているリスノさんがお仕事や子育てを含めた暮らしの話題をさらりとブログにまとめられているのを以前から読んでいて、とても素敵だなと憧れていました。そんな力加減でやれたらいいな。

リスノさんのブログ「翻訳者の暮らし」はこちら
(必見の記事)ほんやく検定の合格に大切なポイント!
2017年にほんやく検定1級に合格されるまでの学習のしかたを公開してくださってます。

ごりごりな技術文書は仕事だけでおなかいっぱいなところもあるし、守秘義務もあってそうつっこんだことは言えないので、勉強や技術のこと、キャリア周りのことをゆるりと綴れたらいいなと思います。

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さいごに

ここまで長文の自分語りに最後までおつきあいくださり、ほんとうにありがとうございました。
医薬品分野のなにか参考になることがあれば幸いです。

最後に、この記事を書くきっかけをくれた古くからのツイ友、ヨシダヒロコさんのブログを紹介します。もうどうして繋がったのかも覚えてないくらい長いおつきあいです。化学系出身の翻訳者さんで、科学イベントにめっちゃ詳しい!

ヨシダヒロコさんのブログ:
A Translator Like Croton Leaves / To Purple Dawn
(必見の記事)わたしのしてきた英語の勉強(のようなもの)その1・小中学校で
私のなにげないtweetから、この記事から始まる読みごたえのある記事をなんと4本も書いてくれました!その熱量が嬉しかったです。ほんとうにありがとう。

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