娘が2歳を過ぎてから、手先を使う遊びもさせたいな~、とりあえずおりがみだなと思った私、半年以上おりがみの本を探してました(←ムダに長い)
それがこの間、ようやく理想のおりがみの本に出会えたんですよね。しかもバーゲン本。やったね!
私が小さい頃、うちは3世代同居で、近所には親戚もいて、ばあちゃんたちは手先を使った遊びを教えてくれました。
母は親戚づきあいに苦労しただろうなとは思いますが、大人の事情を知る前の子どもにとっては良い環境だったかも。多分ね。

……どやろ。
ばあちゃんたちが教えてくれたのは、昔ながらのあやとり、ちぎり絵、切り絵……その中におりがみもあって、子どもの時代の私はおりがみ遊びが好きでした。
子ども時代の記憶をたどると、
- 簡単なものを自分で折って並べることが好き
- やや難しいものをなんとか自分で折れたときのちょっとした達成感が好き
- 難しいものを少しだけ大人に手伝ってもらって折るのが好き(手伝ってくれる大人の手の優しさや、ようやく折れたときに「よかったねぇ」と言ってもらえるのも好き)
- とても難しいものを大人が魔法のように折るのを眺めるのが好き
- 大人が折ったものを分解して折り方を調べるのが好き
- 分解して元に戻せなくなったものを大人に直してもらうのも好き
- おりがみ作品をおもちゃにして物語を作って遊ぶのが好き
そう、おりがみ遊び自体だけではなく、おりがみ遊びを通じた大人とのやりとりも好きだったんですよね。
当時の私にとって、ばあちゃんたちの指は魔法の指でした。
自分で上手にできるようになると、ばあちゃんたちの魔法は魔法ではなくなってしまったけど、それから30年経った今、3歳の娘がじっと見つめる私の指先には、ばあちゃんたち直伝の魔法が宿っているような気がします。
私がおりがみ遊びを好きになった原点は、やっぱりばあちゃんたちの作るおりがみで、様々なおりがみを見せてもらったのがよかったと思ってます。そして、娘が初めて出会うおりがみは、身近な大人(つまり私)が心から楽しんで折るものがいいかな、なんて。
だから娘と遊ぶためにおりがみの本を買うならば、私自身が心から愛せる本がよかったし、苦節半年、ようやくこの本に出会えたことが本当に嬉しかったんです😇
さ、ここまで回想にお付き合いいただいたお礼と言ってはなんですが、本の内容もちょろりと紹介したいと思います。
「完全版 おりがみ大全集」のここが好き
折り図が146種と豊富
完全版おりがみ大全集は、その名前にたがわず、146種と豊富な折り図が掲載されています。
目次を見るのが早いと思いますので、画像でどうぞ。

目次ページには実はささやかな不満があります。目次が見開き1ページでおさまっていて、作品名の横に小さくても完成写真が載っていれば、もっとよいのになと。各章の扉にはまとめて掲載されてるんですが、どうせなら目次に載せてくれた方が一覧性高くて使いやすいので

細かいわ!
ささやかな文句はさておき、このとおり掲載内容は幅広く、昔ながらの伝承おりがみをはじめ、子どもの喜びそうな動物、植物、恐竜、乗り物、さらには暮らしの中でちょこっと使える箸袋などの小物があります。
ラインナップを見ればお分かりの通り、子ども向けに構成された本ではありませんが、娘はむしろ小物類に食いついていたので、よいと思います。

子ども向けのおりがみの本は、年齢別、カテゴリ別、性別、シーン別などで細分化されたものが多く、正直イマイチだなと思ってました。私の子ども時代は、ばあちゃんたちが折るのを見て楽しんでいたし、現在の私はかっこいいものも可愛いものも折りたいし、おりがみに男の子も女の子もないと思うし、あえて偏りが少なく幅の広い大人向けの本を選んだ感じです

だから細かいわ!
簡単なものからそこそこ難しいものまで掲載
これも目次を見たら分かりますが、
- 定番の「コップ」「いえ」など、ごく簡単なもの

この「いえ」は娘が折って絵を描きました。角が合ってないあたりが味わい深い
- 基本でありながら複雑な「つる」や、つるの途中から発展する「あやめ」など幼児には複雑なもの

娘にせがまれて私が作りました。娘、手裏剣やめんこを家の中で投げまくってます。そいそい!
- 「しゅりけん」「めんこ」「くすだま」など、複数枚の折り紙を組み合わせて作るもの

40枚折る気力がなく、本の画像お借りしました
このように、様々な難易度のものが掲載されています。
私自身の子ども時代のおりがみ経験を合わせて考えると、小学生になれば掲載された折り図はひとりで折れるようになりそう。
さすがに精密かつ超高難度の折り図の掲載はありませんが(おりがみ40枚を糸でつないで作るくす玉がいちばん複雑)、この本をマスターして足りないくらいになれば、その時はユニット折り紙や、リアル折り紙に進級したらいいと思いますしね。

そこまでハマるようならば私ではなく娘が本を選ぶようになると思うし、その時は娘の好みの本を買おうと思います。こんなんとか、私が欲しいくらいだけど、折っても飾る場所がないんですよねー
もちろん基本の折り方や記号のルールは掲載
ところで、おりがみをする上で、基本の折り方を理解し折り図記号を読むことは必須科目なわけですが。
完全版 おりがみ大全集にも、基本的な折り方はもちろん巻頭に掲載されていますし、文による説明も丁寧。図がフルカラーで裏表が分かりやすい点もポイント高いです。
掲載されている基本の折り方と折り図記号は「谷おり」「山おり」「おりすじをつける」「ひらいてつぶす(四角/三角)」「だんおり」「中わりおり」「外わりおり」「おりずらす」。これだけ知ってたらたいていのものは折れます。応用ききます。

この本は一般向けなので、書き方はやはり大人向け。大人が横について遊ぶ時期は、大人が折って見せればいいので問題ないと思いますが、子どもがひとりでする場合はもう少し図解が易しいものの方がいいかな?という印象はあります。もう少し大きい子で、おりがみに慣れていれば、ひとりでも大丈夫かと!
漢字のルビに細かい気配りを感じる
おりがみの本を親子で使う時に困るのが漢字の問題がありますよね。
子ども向けのおりがみの本は説明がひらがなで書かれており、私は読みにくいと感じることが多いです。漢字まじりの本の方が読みやすいのですが、幼児は漢字が読めないので、それはそれで困るんですよね。
その点、この本は漢字にルビがふられているので、ひらがなを読める子どもなら大丈夫。
文字がやや細かいのは気になりますが、図解もあるのでなんとかなるでしょう!(←やたら楽観的)

うちの3歳娘はひらがなが読めないので、図解だけ見ながら折ってます。折り図記号の理解がまだなので、自分で折り図を見るより、横で私が同じものを折るのを見る方が断然分かりやすい様子!
「完全版 おりがみ大全集」のここがイマイチ
大きくて重いあたりはさすがに完全版
「完全版 おりがみ大全集」の最大の欠点が大きくて重いことです。A4変型で223ページもあるので、正直持ち運びには向きません。

帰省におりがみとセットで持っていくために、もうちょっと薄くて小さい本もあればいいなと思ってます。わが家は折り紙をお菓子の空き缶に入れてるので、この缶に入るサイズなら完璧なのだけど……

GODIVAのクッキー缶はシールやおりがみの収納に便利。もうひとつほしい。むしろ食べたい(笑)
ばあちゃんたち直伝のおりがみの魔法を娘にも
まあちょっとした不満はあるんですが、やっぱり気に入って購入した本は、しょっちゅうページをめくりたくなります。私の創作意欲もわくし、娘も興味を持って眺めてくれるので、図書館で色々借りていた頃よりもおりがみ遊びが捗るようになりました。
3歳のおりがみ遊びは、まだまだ手先はおぼつかないけど、角や辺をぴったり合わせるとか、しっかり指アイロンをかけるとか、おりがみの基本的なお作法は少しずつ吸収している様子。
おりがみをすると「さんかく」「ながしかく」「かど」「うらがえし」「さかさま」「ななめ」のような、平面/立体図形の概念や位置関係に関する言葉がどんどん飛び出すので、そんな意味でもよい遊びかな~と思います。

私自身を振り返ると、数学の数や式の問題はそれほど得意ではありませんが、図形の問題は得意でした。補助線や展開図を書くのが大好きなのはもしかしたらばあちゃんたちの魔法が効いてるのかも?
3歳娘が集中できる時間はまだ短いので、折る回数が少ない折り図を選んだ方が楽しいみたいです。今は折ること自体より、完成したもので遊ぶ方が好きなのかも。
遊び方はその時々ですが、折っている姿を見ると、娘もそのうち指先に魔法を宿すようになるのかしらと思います。

魔法の力は母から娘に受け継がれ、思春期を迎える頃に弱まるんでしたっけね?願わくは器用で聡明な魔女にならんことを
なんせよ、おりがみ遊びって子どもにテンションを合わせなくても大人のままで楽しく取り組めるので、梅雨や猛暑など外に出たくない日にとてもよいですよ。
魔女修行のひとつとしてお試しください。